084deepsの既存記事「Kickで今稼いでいる配信者は誰か」で、Kickとの契約が公式に近い形で確認できる数少ない例として名前を挙げた配信者がいる。xQc(エックスキューシー)だ。日本語圏ではなじみが薄いかもしれないが、Kickという配信サービスが世界的に注目されるきっかけを作った、いわば「Kick最大の目玉」といえる人物である。
この記事では、xQcがどんな経歴の持ち主で、なぜKickと巨額契約を結ぶに至ったのか、そして現在どういう活動をしているのかを整理する。
xQcとはどんな人物か
xQcは、本名フェリックス・レンジェル(Félix Lengyel)。1995年11月12日、カナダ・ケベック州ラヴァル出身で、ハンガリー系の家系を持つ。
もとは対戦型シューティングゲーム「Overwatch」のプロ選手だった。2016年からeスポーツ選手としてのキャリアを始め、同時に配信活動もスタートしている。2017年10月には、Overwatch Leagueの初シーズンに参戦する「Dallas Fuel」にメインタンクとして加入し、2017年〜2019年にはカナダ代表としてOverwatch World Cupにも出場、2017年大会ではMVPを獲得した。
わずか3カ月でプロチームを離れ、配信者専業へ
華々しい実績を持つ一方で、xQcは差別的な発言などを理由に複数回の謹慎処分を受けており、2018年3月、加入からわずか3カ月でDallas Fuelとの契約を解除されている。
これを機にプロ選手としてのキャリアを離れ、2019年からTwitchでのフルタイム配信者に転向した。長時間にわたる配信や、予測不能でカオスな配信内容が幅広い層に支持され、2020年から2022年にかけては3年連続でTwitch最多視聴配信者となるなど、配信業界を代表する存在になっていく。
数々のBAN歴も「名物」に
xQcを語るうえで欠かせないのが、Twitchでの繰り返しのBAN歴だ。確認できる範囲だけでも、次のような処分を受けている。
| 時期 | 内容 | 処分 |
|---|---|---|
| 2019年7月 | ポルノ動画が誤って配信に映り込む | 3日間のBAN |
| 2020年3月 | 過激な内容のゲーム中にヌード表現が映り込む | 3日間のBAN |
| 2020年6月 | 悪意あるいたずらで不適切な映像が流れる | 一時停止 |
| 2020年7月 | 東京オリンピックの映像を無断配信 | 5時間の配信停止 |
| 2020年11月 | Twitch Rivals主催大会でのストリームスナイピングが発覚 | 7日間のBAN、獲得賞金没収 |
こうしたトラブルの多さも含めて、良くも悪くも常に話題を提供し続けてきた配信者だといえる。
2023年6月、Kickと最大1億ドルの契約
xQcの名前が世界的なニュースになったのが、2023年6月16日に発表されたKickとの契約だ。ニューヨーク・タイムズをはじめとする複数の大手メディアが報じ、本人も内容を認めている。
契約内容は次のとおりだった。
- 契約期間:2年間
- 契約形態:非独占型(Twitchでの配信を継続しながらKickでも配信できる)
- 基本保証額:7,000万ドル
- 条件達成時のインセンティブ:最大3,000万ドル追加
- 合計:最大1億ドル
非独占契約だったため、xQcはKickと契約したあとも引き続きTwitchで配信することができた。084deepsの「Kickで今稼いでいる配信者は誰か」でも紹介しているとおり、これほど具体的な金額まで確認できる配信者の契約は、業界内でも珍しい部類に入る。
これほどの契約金をKickが用意できた理由については、084deepsの「Kickの還元率95%はなぜ高いのか」で、創業者の個人資産や広告事業といった資金の出どころを詳しく整理しているので、あわせて読むと背景がつかみやすい。
契約更新は?現在の活動状況
2024年9月、配信中の質問コーナーで、xQcは契約更新について「分からない」「来週何をしているかも分からない」と述べ、当時は今後の去就が不透明な状態だった。
契約が正式に更新されたのか、当初の非独占契約がそのまま続いているのかについて、公式な発表は確認できていない。ただし2026年9月時点でも、xQcはTwitchとKickの両方でアクティブにチャンネルを維持しており、GTA5のロールプレイサーバー「NoPixel」などを配信し続けている。2024年にはForbesの「Top Creators」ランキングで28位にランクインするなど、契約から数年が経った今も、配信業界を代表する存在であり続けているようだ。
まとめ
xQcは、Overwatchのプロ選手から配信者に転身し、Twitch最多視聴配信者の座を3年連続で守り続けた人物だ。2023年6月には、Kickと最大1億ドルという破格の非独占契約を結び、この契約はKickというサービス自体を世界的に知らしめる象徴的な出来事になった。
2026年時点でもTwitchとKick双方で配信を続けており、契約が正式に更新されたかどうかは不明なものの、活動そのものは継続している。日本語圏ではまだなじみが薄い人物かもしれないが、「なぜKickにここまでの資金力があるのか」「Kickはどうやって注目を集めたのか」を理解するうえで欠かせない人物だといえる。
xQcのような長時間配信を支えているのは、快適な入力環境だ。反応速度にこだわるなら、こうしたゲーミングキーボードも選択肢になる。
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