084deepsの既存記事「Kickで今稼いでいる配信者は誰か」で、「契約金の噂が本人によって否定された例」として紹介した配信者がいる。Adin Ross(エイディン・ロス)だ。xQcと並ぶKickの看板配信者でありながら、xQc以上に「物議・炎上」を軸に語られることが多い人物でもある。
この記事では、Adin Rossがどんな経緯でTwitchから追放され、Kickへ移籍することになったのか、そして契約金を巡る噂の真偽や現在の活動状況までを整理する。
Adin Rossとはどんな人物か
Adin Ross(本名:Adin David Ross)は、2000年10月11日、アメリカ・フロリダ州ボカラトンのユダヤ系の家庭に生まれた。のちにニューヨーク、カリフォルニア州スリーリバーズにも居住している。
姉のナオミと同居しながらTwitchでの配信活動を開始し、「NBA 2K20」の実況で知名度を上げた。バスケットボール選手ブロニー・ジェームスとのゲームグループでの交流や、著名人とのコラボ配信、他の配信者との賭けマッチ企画などを通じて人気を集めた。
Twitchでの複数回のBAN、そして2023年の恒久追放
Adin Rossは、Kickへの移籍以前からTwitchで繰り返しBANを受けてきた配信者でもある。
- 2021年4月:YouTuber「Zias」が配信中に差別的な発言をしたことを理由に一時BAN(同月中に解除)
- 2022年4月:ヘイトスピーチ的な発言を理由に無期限BAN(同年6月に復帰)
- 2023年2月25日:自身の配信でKickの無編集チャット欄を表示し、そこに人種差別的・反ユダヤ主義的なコメントが含まれていたことを理由に、Twitchから通算8度目、そして最も重い「恒久BAN」処分を受けた
この恒久BANは、Adin RossがKickとの契約を結んだ数日後に下されており、時期の近さから両者を関連づける報道が海外メディアで複数見られる。
Kickとの契約と「1億5,000万ドル」の噂
2023年2月、Twitchでの恒久BAN数日前、Adin RossはKickと独占契約を結んだ。本人は契約発表時に「自分の知る限り、クリエイターとして史上最大級の契約」と語っている。
この契約金額を巡っては、SNS上で「2年間で1億5,000万ドル」という具体的な数字の噂が広まった。しかし、Adin Ross本人と、Kickのオーナーであるトレインレックス(Trainwreckstv)の両方が、この金額を「事実ではない」と明確に否定している。Ross自身は、契約の具体的な数字を公表したことは一度もないとしている。
084deepsの既存記事「Kickで今稼いでいる配信者は誰か」でも、著名な海外配信者ですら契約金額に関する噂がしばしば誇張され、当事者に否定されるケースの一例として紹介している。
Kick移籍後も続いた物議
Kickへの移籍後も、Adin Rossを巡る話題は絶えなかった。2023年にはスーパーボウル(Super Bowl LVII)を無許可で配信したり、アダルトコンテンツが配信に映り込んだりして物議を醸したと報じられている。
一方で、2024年8月にはドナルド・トランプ氏(当時大統領候補)にインタビューする配信を実施し、同時視聴者数50万人超を記録するなど、政治的な注目を集める配信も行っている。2025年12月には、NFL選手プカ・ナクア氏に反ユダヤ主義的とされるジェスチャーを教えたとして批判を受けたとも報じられた。
Kickとの不安定な関係、そして現在の活動状況
2024年12月、Adin Rossは「Kickを無期限に離れる」と発表し、Twitchアカウントの復活に専念すると述べたと複数の海外メディアが報じている。実際に2025年3月29日、Twitchは恒久BANを解除し、Rossは同プラットフォームに復帰した。
ただし、その後もKickとの関係が完全に切れたわけではないようだ。2025年9月には、ギャンブルブランド「Rainbet」との1億ドル規模の契約を配信中に発表した直後、Kickから理由不明のBANを受けたとする報道があったが、Kickアカウント自体はその後回復している。2026年9月時点では、Twitch(フォロワー約700万人)・Kick(フォロワー約180万人)の両方で配信を継続しているようだ。
なお2026年3月には、Kick共同創業者のトレインレックスが、多額の損失を出したAdin Rossからの融資要請を拒否したとも報じられており、契約関係の内実は今もはっきりしない部分が多い。
Kickの資金力の背景については、084deepsの「Kickの還元率95%はなぜ高いのか」で創業者の個人資産や広告事業を整理しているので、あわせて読むとAdin Rossのような巨額契約がなぜ可能なのかが理解しやすい。
まとめ
Adin Rossは、Twitchで複数回のBANを経て2023年に恒久追放された後、Kickへ移籍した配信者だ。契約金額については「1億5,000万ドル」という噂が広まったものの、本人とKickオーナーの両方によって否定されており、正確な金額は公表されていない。
移籍後も物議を醸す出来事が続き、2024年末にはKickからの離脱を一度表明したものの、2026年9月時点でもTwitch・Kickの両方で配信を続けている。xQcが「巨額契約でKickの資金力を象徴する存在」だとすれば、Adin Rossは「Kickという場所そのものの評判を左右してきた存在」だといえそうだ。
著名人とのコラボ配信も多いAdin Rossのような配信スタイルには、画質の良いWebカメラも欠かせない。



