2026年1月、米YouTuberのNico Grigg(ニコ・グリッグ)が「エプスタイン島に忍び込んだ」という動画を公開し、英語圏で大きな話題になりました。この記事では、彼がどんな人物なのか、動画で何が起きたのか、そして投稿後に主張した「黒いSUVに見張られている」という話をどう受け止めるべきかを整理します。
先にポイントを書きます。
- Nico Griggは2005年生まれの米YouTuber。チャンネル名は「nicoiscold」
- 動画は2026年1月30日投稿で、YouTubeの再生数は310万回超と報じられている
- 「島に上陸できたのか」は、報道によって書き方が割れている
- 「黒いSUV」の話は本人の主張で、第三者による裏付けは確認できていない
Nico Griggとは何者か
人物情報は、芸能人の誕生日情報サイト「Famous Birthdays」によると次のとおりです。
- 生年月日:2005年6月17日、ニューヨーク州ロングアイランド出身
- 2020年12月ごろにTikTokで活動を開始
- 2023年に高校を卒業し、YouTubeに専念するためマイアミへ移った
- Zoomや匿名チャット(Omegle)への乱入、他の配信者へのいたずらなどを投稿してきた
登録者数は同サイトで「2.5百万人超」とされていますが、これは外部サイトの記載で、時期によって変わります。本人の公式発表で確認した数字ではない点に注意してください。
そもそもエプスタイン島とは
「エプスタイン島」は、米領ヴァージン諸島にあるLittle St. James(リトル・セント・ジェームス島)の通称です。
- 1998年4月、ジェフリー・エプスタイン氏が約795万ドルで購入(Wikipedia)
- エプスタイン氏は性的人身取引の罪で起訴され、2019年に勾留中に死亡
- 2023年5月、投資家のStephen Deckoff氏が、隣のGreat St. Jamesとあわせて6,000万ドルで購入(当初の希望価格は1億2,500万ドル)
- Deckoff氏は、25室の高級リゾートにする計画を明らかにしている(NPR報道)
つまり現在は、被害者や事件の舞台であると同時に、民間の所有地でもあります。ここが動画の「忍び込む」という言葉の背景です。
動画では何が起きたのか
報道を総合すると、流れは次のとおりです。
1. ドローンで島を偵察し、島にボートや人がいるのを確認した 2. 何度か接近に失敗し、3回目の試みでジェットスキーを使って島に近づいた 3. ビーチ付近でウニを踏み、島内を歩き回ることはできなかった 4. ゴルフカートに乗った人物に撮影されたこと、工事が行われているように見えたことを、本人が動画内で主張した
投稿日は、LADbibleなど多くの媒体が1月30日としています。BroBibleは1月31日と書いており、媒体で1日ずれています。
「上陸した」のか、していないのか
ここは報道が割れています。
| 媒体 | 書き方 |
|---|---|
| LADbible | 3回目の試みで島に到達、ビーチのみ |
| NBC News | 周辺の海には到達したが、上陸はしていない |
| BroBible | 岸に数歩近づいたが、退却した |
動画を私自身が確認したわけではないため、「上陸した」と断定するのは避けます。確実に言えるのは、島のすぐ近くまで行き、ビーチ付近でウニに阻まれたという点です。
なお、BroBibleはヴァージン諸島の「Open Shoreline Act」を紹介しています。それによると、浜辺は植生線までなら私有地でも立ち入りが認められる一方、そこから先へ進めば不法侵入になる可能性が高いとのことです。ただし、これは同媒体の解説で、今回の件を法的に判断したものではありません。
投稿後の「黒いSUV」主張
動画の公開後、Griggは自分のTikTokやInstagramで、次のように語りました(LADbibleの報道による)。
- 帰宅してから毎日、家の前に黒いエスカレードが停まっている
- 「もしかしたらエプスタインの友人かもしれない」
- 初日に警察に連絡し、対応すると言われた
- 「怒らせたなら謝る。全部終わってほしい」
BroBibleによると、この件のTikTok動画は3,300万回以上再生され、コメント欄では本当かどうか意見が分かれたといいます。
ここで冷静に押さえておきたいのは、次の点です。
- 車の持ち主や目的は、現時点で確認できていない
- 島の関係者や、エプスタイン氏とつながる人物が関わっているという根拠は、報道では示されていない
- 「怖い」という本人の実感と、「誰かが指示している」という事実は、分けて考える必要がある
SNSでは、話題づくりではないかという見方も、本当に不安なのだろうという見方も見られました。どちらも推測の域を出ないため、この記事では判断を避けます。
なぜ話題になったのか:島に向かう動画の流行
Griggの動画は、単発の出来事ではありませんでした。NBC Newsは2026年3月18日の記事で、島を訪れる動画が15本以上あり、うち9本以上が2026年に投稿され、合計の再生数が5,200万回を超えると伝えています。
同記事によると、ヨルダンを拠点とするAhmad Aburob氏は、GriggとTyler Oliveira氏の動画を見て、自分も島に行こうと決めたと説明しています。Griggの動画が、流行のきっかけの一つになった可能性はあります(これは筆者の見方です)。
背景には、エプスタイン氏をめぐる関連文書の公開などで、この話題への関心が高まっていたこともあると考えられます。ただし、各動画が増えた直接の理由は、報道では確認できませんでした。
流行の行き着く先:危険と逮捕の事例
その後、事態はもっと深刻になっています。
2026年4月には、米テネシー州の団体「We Fight Monsters」の創設者Benjamin Owen氏が島で拘束され、不法侵入の罪で起訴されたと報じられました(TMZなど)。警察は誘拐・暴行の通報を受けて駆けつけた、とも伝えられています。
この件はGriggとは別の人物の出来事です。ただ、「撮れ高のために島へ行く」ことが、法的にも身体的にも危険を伴うことを示した例といえます。
振り返って思うこと
ここからは筆者の考えです。
エプスタイン氏の事件には、実際の被害者がいます。島を「心霊スポット」や「肝試し」のように扱う動画に、違和感を持つ人がいるのも自然だと思います。一方で、「事件の舞台を自分の目で見たい」という好奇心があること自体は、否定しにくいところです。
Griggの場合、島に近づいた動画そのものよりも、投稿後の「黒いSUV」の話のほうが拡散しました。確認できない話ほど速く広がる、ネットの性質がよく出た一件でもあります。
まとめ
- Nico Griggは2005年生まれの米YouTuber。2026年1月30日に、エプスタイン島(Little St. James)へ向かう動画を公開した
- 島のすぐ近くまで行ったものの、ウニに阻まれた。上陸できたかどうかは、報道によって書き方が異なる
- 投稿後の「黒いSUVに見張られている」は本人の主張で、第三者の確認は報じられていない
- この動画をきっかけの一つとして、同様の動画が増え、2026年4月には不法侵入で起訴された人物も出ている
(2026年10月3日時点で確認できた情報にもとづきます)

