Kickの日本展開を巡る記事で必ずといっていいほど名前が挙がるのに、Kickに「移籍しなかった」配信者がいる。関優太だ。084deepsでもこれまで「KICK JAPAN主要配信者マップ2026」や「KICK JAPANは終焉に向かっているのか」の中で触れてきたが、本人単独のプロフィールはまだ扱っていなかった。
この記事では、関優太がどんな経歴の持ち主で、なぜKickとの契約を断ったのか、そしてその後どういう経緯をたどって今に至るのかを、確認できる事実にもとづいて整理する。
関優太(スタイリッシュヌーブ)とはどんな人物か
関優太(せき ゆうた)は、1990年5月6日生まれ、愛知県稲沢市出身のストリーマーだ。かつての活動名「スタイリッシュヌーブ」から「スタヌ」「スタヌー」という愛称で呼ばれることも多い。
もとはオーバーウォッチのプロ選手で、2016年1月にプロゲーミングチーム「DeToNator」のオーバーウォッチ部門に加入している。同年8月には「JCG Overwatch Master Summer Finals」で優勝し、9月には「Overwatch World Cup 2016」に日本代表キャプテンとして出場するなど、黎明期のオーバーウォッチシーンで実績を残した選手だった。
プレイヤーからストリーマーへ、そしてZETA DIVISIONへ
関優太は2016年10月、プレイヤーからストリーマーへと軸足を移す。2021年3月末に約5年間所属したDeToNatorを脱退した後、同年7月8日にプロゲーミングチーム「ZETA DIVISION」のCREATOR部門にストリーマーとして加入した。
2022年7月8日、ZETA DIVISION始動1周年のタイミングで、活動名を「スタイリッシュヌーブ」から本名の「関優太」に変更している。以降はTwitchでの配信活動を中心に、Apex Legendsなどをプレイしながら国内屈指の人気ストリーマーとしての地位を築いていった。
2025年4月、Kickとの契約交渉が決裂
そんな関優太の名前が、Kick関連のニュースで大きく取り上げられたのが2025年4月4日のことだ。自身のTwitch配信で、Kickとの契約交渉が決裂する見通しであることを明らかにした。
本人の説明によれば、Kickが提示した金額自体には納得していたという。問題になったのは条件面だった。「Kickに移行してこれだけ稼げました」といった収益面のアピールを求められたことや、Twitchなどで配信した後に「続きはKickで」という形で視聴者をKickへ誘導する運用を求められたことに反発したという。関優太は「日本の配信者をナメてる」「ナメられることの方が無理だわ、ムカつくわ」と不快感を示し、この意向をKick側にも伝えたことで交渉は決裂する見通しになったと語った。
> 出典:KAI-YOU「ストリーマー関優太、配信サイトKickと交渉決裂『日本の配信者をナメてる』」
これに対し、Kick Japan公式Xは4日後の4月8日、「日本人配信者の皆さまに対して無礼な意図を持ったことは一切ございません」「(収益公表を)強要したことは今まで一度もございません」と釈明する声明を出し、関優太の判断は尊重するとコメントした。
高額な契約金を提示されても、条件次第では移籍を断るケースがあることを示した一件で、084deepsの「KICK JAPAN主要配信者マップ2026」でも、Kickへの「移籍を断った」代表例として紹介している。
交渉決裂から1年、活動休止を経てZETA DIVISIONを退団
Kickとの一件から間もない2025年5月を最後に、関優太の配信は途絶える。そして2025年6月、「表舞台での活動を無期限休止」することが発表された。休止の具体的な理由について、公式発表や本人発言から明確な説明は見当たらず、この点は未確認にとどまる。なお本人は2023年にも「満足するぐらいまでやった」として活動ペースを落とす意向を示したことがあり、以前から自分のペースで活動量を調整する姿勢を見せていた。
そして2025年12月20日、ZETA DIVISIONが公式Xで、関優太が同年12月31日をもって契約終了に伴い退団することを発表した。ZETA DIVISION側は「これまでの全てに感謝します」とコメント、本人も「約4年間本当にお世話になりました。ZETAに所属したおかげで、僕の人生は大きく変わることになりました」と感謝を述べ、X上では「環境も何もかも変わってもこの世界にはそのうち帰ってくるよ」と投稿している。
退団理由はあくまで「契約終了に伴うもの」とされており、公式にはKickとの交渉決裂との因果関係は説明されていない。時期としては交渉決裂から8カ月ほど経ってからの退団であり、両者を直接結びつける根拠は確認できていない点には注意したい。
2026年5月、約1年ぶりの配信復帰
活動休止から約1年後の2026年5月15日、関優太はTwitchで配信を再開した。「Just Chatting」形式のこの配信はSNS上でトレンド入りするほどの反響を呼び、配信データ集計サイトeslive.ggによれば、この日の同時接続数は関優太にとって過去最高となる7.3万人を記録したという。
2026年9月時点では、特定のチームに所属しない個人(フリー)勢として、Apex Legendsやストリートファイター6を中心に、火・水・土曜の夕方から深夜にかけて不定期に配信を続けている。同サイトの集計では、直近30日間の配信本数は37回、平均同時接続数は約1.3万人、Twitchフォロワー数は100万人を超えるとされる(いずれも第三者サイトによる独自集計であり、公式発表の数値ではない点は留意したい)。
まとめ
関優太は、オーバーウォッチのプロ選手からストリーマーに転身し、ZETA DIVISIONで約4年半にわたり活動してきた配信者だ。2025年4月には、高額な条件を提示されながらもKickとの契約を「日本の配信者をナメてる」という言葉とともに自ら断り、その後、活動休止とZETA DIVISION退団という大きな転機を経て、2026年5月に約1年ぶりの配信復帰を果たした。
「稼げるなら移籍する」という単純な構図では語れない、条件面での判断を貫いた事例として、Kickの日本展開を振り返るうえでも参考になる人物だといえる。
日本語圏のKickコミュニティ全体の勢力図については、「KICK JAPAN主要配信者マップ2026」でも整理しているので、あわせて参考にしてほしい。
関優太のようにApex Legendsを主戦場とする配信者を見ていると、自分もゲーミングヘッドセットの一つくらい欲しくなってくるかもしれない。
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