「炎上している投稿ほどXでよく見かける」と感じたことがある人は多いはずだ。084deepsでは以前、Xのアルゴリズムの基本的な仕組みを解説する記事を公開したが、今回はその中でも「なぜ炎上ポストが伸びるのか」という一点に絞って掘り下げる。
そして先に触れておきたいのが、2026年のアップデートによって、実はこの「炎上=バズる」という前提そのものが揺らぎつつある、という点だ。

炎上ポストが伸びやすいとされてきた理由:会話への極端な重み付け
Xのアルゴリズムは、いいねよりも返信(リプライ)を、そして返信への返信(会話の深さ)をさらに重視する設計になっているとされる。2023年に流出したアルゴリズムのコードでは、リプライがいいねの27倍程度の重みを持つという数値が示されていた。この数値自体は2023年時点のものであり、2026年の最新コードで同じ重みが使われているかは確認できていないが、「会話を重視する」という基本的な設計思想は現在も引き継がれているとみられる。
> 出典:sky-peace.net「Xアルゴリズム解説:リプライの重みはいいねの27倍?最新数値まとめ」ほか複数の海外メディア
極端な物言いや挑発的な投稿は、賛否両方から大量の返信を呼び込みやすい。会話が最も重視される設計上、こうした投稿は結果的にアルゴリズム上のスコアが高くなりやすい、というのが「炎上ポストは伸びる」と言われてきた理由だ。
しかし「ネガティブな反応」は強いマイナス評価でもある
一方で、Xのアルゴリズムには「ネガティブなシグナル」を強く減点する仕組みもある。ユーザーが投稿を見て「興味なし」を選ぶ、投稿主をブロック・ミュートする、通報する、といった行動は、いずれも強いマイナスのシグナルとして扱われるとされる。特に「ブロック」は、その投稿が不要・迷惑だと判断される最も強いネガティブシグナルだという。
> 出典:海外複数メディア(SocialBee、Teract.aiなど)
つまり、炎上ポストは「返信を集める」というプラス面と、「ブロック・通報も集める」というマイナス面を、同時に抱え込む構造になっている。

2026年の新展開:Grokによる「トーン監視」
ここからが本題だ。2026年1月、xAIはGitHub上でアルゴリズムを全面公開したが、その中に、AI「Grok」が投稿ごとのトーン(論調)を監視する仕組みが導入されたと、複数の海外メディアが報じている。
この仕組みでは、ポジティブ・建設的なトーンの投稿はより広く配信される一方、ネガティブ・攻撃的なトーンの投稿は、たとえエンゲージメント(いいね・リプライ数)自体が高くても、露出が抑えられるようになったとされる。具体的には、返信とあわせて通報や「表示を減らす」といったシグナルが多く発生した投稿については、リーチが割り引かれる仕組みになっているという。
> 出典:海外複数メディア(検索結果にもとづく、複数の独立したSNSマーケティング系メディアが同様の内容を報じている)
ただし、この点について、xAI公式のGitHubリポジトリそのものに直接アクセスして確認することはできておらず、複数の二次情報が一致して報じている内容にとどまる。一次情報での裏付けが取れていない点は、正直にお伝えしておきたい。

「炎上=バズる」という図式は崩れつつあるのか
ここまでの内容を整理すると、次のような構造が見えてくる。
- 会話(返信)を重視する設計は、炎上ポストにとって追い風になる
- 一方で、ネガティブなシグナル(ブロック・通報など)への強いペナルティは、炎上ポストにとって向かい風になる
- 2026年に導入されたとされるトーン監視は、この「向かい風」をさらに強める方向の変更だと考えられる
ここから先は分析になるが、これらを総合すると、「極端な投稿ほどリプライを集めて伸びる」という従来の理解は、2026年時点では一部しか正しくない可能性がある。賛否が分かれてリプライを集めても、その過程でブロック・通報・ネガティブなトーン判定を受ければ、かえって露出が抑えられる、という逆方向の力が働くようになったとみられるからだ。
ただし、この「逆方向の力」が実際にどの程度強いのか、体感として「炎上ポストが減った」と言えるほどの変化が起きているのかを示す定量的なデータは、今回の調査では見つからなかった。あくまで、アルゴリズムの設計思想としてそうした調整が加えられた、という制度面の変化として捉えておくのが正確だろう。
まとめ
Xのアルゴリズムが会話(返信)を重視する設計である以上、炎上ポストが一定のスコアを稼ぎやすいという構造は今も変わっていないとみられる。一方で、ブロック・通報といったネガティブなシグナルへの強いペナルティに加え、2026年にはGrokによるトーン監視が導入されたとされ、ネガティブ・攻撃的な投稿の露出を抑える方向の調整が進んでいる。
「炎上させれば伸びる」という単純な図式は、少なくとも2026年のアルゴリズムの設計思想としては、以前より通用しにくくなってきているのかもしれない。
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