TikTokを開くと、サングラスをかけた韓国人男性が独特な動きでキレキレに踊る動画が流れてくることがある。名前の表示は「Ambiguous Kim(アンビギュアスキム)」。ただそれだけで、本名や国籍、経歴が分かるわけではない。コメント欄を見ても「誰なの?」「何者?」「本名は?」という書き込みが目立つ。
結論から言うと、Ambiguous Kimは正体不明の謎の人物ではない。韓国のダンスカンパニーを率いる、実績のあるプロの振付家だ。この記事では、彼が何者なのか、本名や国籍を含めてどんな経歴を持っているのか、そしてなぜ今あらためてTikTokで話題になっているのかを、確認できた情報をもとに整理する。
Ambiguous Kimの正体は韓国のダンスカンパニーの芸術監督
TikTokアカウント「@ambiguous.kim」の中心人物は、韓国のダンスカンパニー「Ambiguous Dance Company(앰비규어스댄스컴퍼니)」の芸術監督・振付家を務める、キム・ボラム(Kim Bo-ram/김보람)氏だ。
「Ambiguous」はカンパニー名であり、本人の芸名やニックネームというより、彼が率いる団体の名前がそのままアカウント名になっている、というのが実際のところに近い。ソウルを拠点に活動しており、パフォーマンスの際は必ずサングラスをかけているのも特徴のひとつだ。
どんな経歴を持っている人物なのか
キム・ボラム氏は、最初からダンスカンパニーの主宰者だったわけではない。もともとはオム・ジョンファ、イ・ジョンヒョンといった韓国の歌手のバックダンサーとして、約10年間活動していた人物だ。
バックダンサーとして活動する中で「ダンスは観客にどう伝わっているのか」という点に関心を持つようになり、自分自身の振付を手がけるようになったという。その後、ソウル芸術大学の舞踊科で学んだ経歴もある。
そして2007年、自身のダンスカンパニー「Ambiguous Dance Company」を設立した。ジャンルにとらわれず、身体の動きそのものが持つ表現力を追求するスタイルで知られている。国籍は韓国、拠点もソウルで、日本人でも中国人でもない点は誤解されやすいので押さえておきたい。
サングラスを常に着用しているのは、韓国のテレビ番組に出演した際、「観客の視線を、目や顔、表情ではなく身体の動きに集中させたいから」という趣旨で説明したと伝えられている。派手なパフォーマンスの裏に、本人なりのこだわりがあるわけだ。
本人のInstagramアカウント(@ambiguous_kim)でも、こうした独特な動きのダンス動画が日常的に投稿されている。TikTokで拡散している映像と同じテイストの雰囲気を確認できる。
パフォーマンス中に欠かさずかけている、彼のトレードマークとも言えるサングラス。似たテイストのスポーツサングラスなら普段使いにも取り入れやすい。
Amazonで詳細を見る →世界的に注目されたきっかけは韓国観光公社の動画
Ambiguous Dance Companyの名前が一気に広まったのは、2020年7月のことだ。韓国観光公社(KTO)が制作した観光プロモーション動画シリーズ「Feel the Rhythm of Korea」のソウル編に、音楽グループ・LEENALCHIのパンソリ融合楽曲に合わせて出演した。
この動画は公開後まもなく世界中で拡散し、シリーズ化されるほどの反響を呼んだ。派手なサングラスと衣装、伝統と現代を融合させたような独特のダンスは、韓国国内だけでなく海外のSNSユーザーの間でも大きな話題になった。
このヒットが、次のステップにつながっていく。
Coldplayとのコラボレーションも実現
「Feel the Rhythm of Korea」での注目をきっかけに、2021年にはイギリスのロックバンド・Coldplayの楽曲「Higher Power」のオフィシャル・ダンス・ビデオにAmbiguous Dance Companyが出演した。
同年5月には、Coldplayが英国のテレビ番組に出演した際のサプライズ演出として、ロンドン・テムズ川に浮かぶ船の上でパフォーマンスを披露したとも報じられている。世界的なロックバンドとのコラボレーションを実現するほど、国際的に評価されているダンスカンパニーだということが分かる。
なお、GUCCIやBMWとのコラボレーション実績があるという情報も見られたが、具体的な時期や内容までは確認できなかった。この点は「確認できない情報」として扱っておく。
なぜ今、あらためてTikTokで話題になっているのか
ここまで見てきたように、Ambiguous Kim(キム・ボラム氏)は決して無名の人物ではなく、2020年前後にはすでに世界的な注目を集めていた実績のある振付家だ。それにもかかわらず、TikTokでは今なお「誰なのか分からない」という反応が多く見られる。
背景として考えられるのは、彼の過去のダンス映像が、ジャージークラブ(Jersey Club)というジャンルの音楽・編集と組み合わされる形で、TikTok上で新たに拡散しているという流れだ。ダンスシーンや「Feel the Rhythm of Korea」を知らない層にも動画が届くようになったことで、名前だけが先に広まり、人物像が伝わっていない状態が生まれているとみられる。
実際、TikTokの検索候補には「who is ambiguous kim」「ambiguous kim original video」といった、名前は知っているが正体を知らない人向けの検索ワードが並んでいる。これは、過去の実績が新しい世代の視聴者に文脈を伴わずに届いている、という状況を象徴していると言えそうだ。
なお、この記事の執筆時点(2026年9月)でのTikTokフォロワー数は12万人台後半と伝えられているが、SNSのフォロワー数は日々変動するため、あくまで目安として捉えてほしい。
よくある疑問
Ambiguous Kimは本名なの? 本名ではない。彼が率いるダンスカンパニー「Ambiguous Dance Company」の名前がそのままTikTokのアカウント名になっている。本人の名前はキム・ボラム(Kim Bo-ram)氏。
Ambiguous Kimは何人?国籍は? 韓国人。ソウルを拠点に活動するダンスカンパニー「Ambiguous Dance Company」の芸術監督・振付家で、日本人でも中国人でもない。
なぜサングラスをかけているの? 本人が韓国のテレビ番組で説明したとされる内容によれば、観客の視線を顔や表情ではなく身体の動きに集中させるためだという。
プロのダンサーなの、それとも素人の話題性で伸びた人なの? プロの振付家・ダンスカンパニーの主宰者だ。10年ほどバックダンサーとして活動した後、2007年に自身のカンパニーを立ち上げ、韓国観光公社のプロモーション動画やColdplayとのコラボレーションなど、国際的な実績を積んでいる。
「アンビギュアスキム」とはどう読むの? 英語表記「Ambiguous Kim」のカタカナ読みで、TikTok上の表示名をそのまま日本語読みした呼び方として使われている。
まとめ
Ambiguous Kim(アンビギュアスキム)の正体は、韓国のダンスカンパニー「Ambiguous Dance Company」を率いる韓国人振付家、キム・ボラム氏だった。2020年の韓国観光公社の動画で世界的に注目され、2021年にはColdplayとのコラボレーションも実現している、実績あるプロのダンサーだ。
今TikTokで話題になっているのは、そうした過去の実績ある映像が、ジャージークラブという新しい文脈で再拡散している現象だと整理できる。名前だけを見て「誰?」と気になった人は、まずは彼が何者なのかを知った上で、あらためて動画を見返してみると、また違った見え方をするかもしれない。
TikTokで拡散するダンス動画の「正体」という点では、当サイトでは他にも、「横バウンス」の本家・swingstyleや、覆面姿で活動する能面東京(NOMENTokyo)についても調べている。気になった人はあわせて読んでみてほしい。


