こめおの「冷やし蟹ラーメン」食中毒騒動とは。経緯とその後の対応を整理【2026年10月10日更新】

配信ニュース・事件

「割烹こめを」を営むこめお氏が販売した「冷やし蟹ラーメン」による食中毒で、2026年9月11日時点までに123人が食中毒患者として確認されている。港区みなと保健所は2026年9月3日の時点でこの冷やし蟹ラーメンが原因の食中毒だと断定し(当時の患者数は78人)、店に7日間の営業停止命令を出したが、その後の調査で患者数はさらに増えている。

ニュースで見出しだけ見て、「結局何が原因だったのか」「使い回しがあったのかどうなのか」「その後、店はどうなったのか」が気になって検索した人も多いはずだ。この記事では、港区の公式発表を軸に、何が起きて、こめお氏がどう説明し、営業停止処分が明けたあとどうなったのか(2026年10月1日に「割烹こめを」の閉店が発表された)を時系列で整理する。(2026年10月10日時点の情報に更新)

何が起きたのか。まず結論から

要点だけ先に整理すると、以下の通りだ。

  • 2026年8月22日・23日に開催された「麻布十番納涼まつり」で、こめお氏が経営する「割烹こめを」が「冷やし蟹ラーメン」(とうもろこし豆乳スープ、ソフトシェルクラブの唐揚げ乗せ、2,000円)を販売した
  • 8月23日未明以降、これを食べた来場者から下痢・腹痛・発熱などの体調不良の訴えが相次いだ
  • 港区みなと保健所は調査の結果、9月3日に「冷やし蟹ラーメン」を原因とするサルモネラ属菌による食中毒と断定。この時点の患者数は78人(男性48人・1歳~61歳、女性30人・9歳~47歳)で、うち3人が入院(全員退院済み)
  • 施設(割烹こめを)には食品衛生法違反により、9月3日から9日までの7日間の営業停止命令が出された
  • その後の調査で患者数はさらに増え、2026年9月11日には港区が食中毒患者を123人と認定したと発表。体調不良の相談自体は250人に上るという
  • あわせて、法律で義務付けられている衛生管理記録を「割烹こめを」が一切作成していなかったことも判明した(詳しくは後述)
  • なお、みなと保健所に体調不良を訴えた人の数は食中毒患者数とは別に集計されており、時期によって116人(8月31日時点)、160人超(9月4日時点)、250人(9月11日時点)と変化している(詳しくは後述)
  • こめお氏はその後も謝罪動画を重ねて公開しているが、保健所調査を踏まえた検証でも「具体的な混入源・混入経路の特定には至らなかった」と説明している
  • 営業停止処分は9月9日で終了したが、店は営業を再開しないまま、2026年10月1日にこめお氏が公式SNSで「割烹こめを」を閉店することを発表した。浅草の「かにを」は、報道の時点で営業中とされている

これは港区が公式に発表している内容で、いわば「確定した事実」にあたる部分だ。ここから先の「使い回しがあったかどうか」といった点は、まだ確定していない部分も多いので、事実と憶測を分けて見ていく。

こめお氏、割烹こめをとはどんな店か

こめお氏は、格闘技イベント「BreakingDown」への出場で知られるようになった人物で、SNSでは「闘う料理人」として活動してきた。2023年11月、東京都港区麻布十番に完全予約制の和食店「割烹こめを」をオープンし、オーナー兼料理人を務めている。浅草では「かにを」というカニラーメン専門店も展開しており、SNSの総フォロワー数は100万人を超えるという。

今回問題になった「冷やし蟹ラーメン」は、この「かにを」の通常メニューではなく、麻布十番納涼まつりへの出店用に用意された限定メニューだった。

時系列で見る経緯

日付できごと
8月22日麻布十番納涼まつり開幕。雨天のため一部中止となり、こめお氏は「700食余ってしまった」とSNSに投稿
8月23日まつり2日目。冷やし蟹ラーメンを約500食提供(報道ベース)。深夜1時頃から体調不良を訴える人が出始める
8月23日~26日患者の発症期間(下痢・腹痛・発熱など)
8月26日午後みなと保健所に最初の通報
8月28日港区長がコメントを発表。この時点で76人から体調不良の連絡があったことを明らかにし、立入調査を実施中と説明
8月28日こめお氏がXで初めてコメント。「因果関係を含め原因は特定されていない」としつつ、使い回し疑惑を否定
8月31日区長会見。みなと保健所への体調不良の連絡が116人に増加(産経新聞報道)
9月3日港区みなと保健所が食中毒と断定(患者78人)。7日間の営業停止命令(9/3~9/9)
9月3日以降こめお氏が謝罪文を公表
9月3日夜「東京カレー万博」「大つけ麺博 presents ラー1グランプリ」が、こめお氏の「かにを」の出店取りやめを発表
9月4日(報道)体調不良を訴えた人が160人を超えたとテレビ朝日系(ANN)が報道
9月5日こめお氏が丸刈り・黒スーツ姿でYouTubeに再謝罪動画を公開(撮影は9月4日)。「閉店も視野に入れている」と説明
9月8日こめお氏がYouTubeで3本目の動画を公開し、保健所調査を踏まえた混入源の検証結果を説明。「具体的な混入源や混入経路の特定には至らなかった」と結論
9月9日7日間の営業停止処分が終了。ただし営業は再開せず
9月10日浅草の「かにを」店舗で緊急消毒・拭き取り検査を実施。SNSでは「論点がズレている」との声も
9月10日こめお氏が「割烹こめを」「かにを」のスタッフとともに衛生講習を受講。次亜塩素酸ナトリウムによる殺菌消毒、月1回の従業員検便、段ボールからコンテナへの保存方法変更などの改善策を実施したと報告
9月9日2025年8月に投稿されていた、麻布十番納涼まつり出店前の試作動画(具材に卵の殻を押しつけてくぼみをつける調理法)が掘り起こされ、SNSで批判が拡大。漁師系YouTuber「素潜り漁師マサル」氏、料理研究家YouTuberの「リュウジ」氏らも動画・Xでこめお氏の衛生意識を批判
9月11日港区(清家愛区長・みなと保健所長)が記者会見。食中毒患者を123人と認定したことを発表し、体調不良の相談は250人に上ると説明。あわせて、法律で義務付けられた衛生管理記録を「割烹こめを」が一切作成していなかったことが判明
9月11日こめお氏が取材に応じ、「(記録を)付けないといけないという認識はありました。優先順位が下がってしまった。僕自身の根本の衛生管理に対する意識の甘さがあった」とコメント
9月11日テレビ朝日系「グッド!モーニング」が特集を放送。みなと保健所の担当者が出演し、「衛生管理計画を店がきちんと管理することが義務付けられているが、通常の段階からおこなっていなかった。なかなかありえないものだと思う」とコメント。同日、こめお氏はXで「衛生管理について改めて勉強しています。『知らなかった』では済まされない」と投稿
9月12日実業家・桑田龍征氏がYouTubeで、保健所による断定前(9月1日時点)に撮影された、目に大きなクマを浮かべたこめお氏のインタビュー映像を公開。「料理を辞めようかなっていうのはすごい思った」「自分や店が原因なら、店は閉じようかなという風には今も思う」と話していたことが明らかになった
9月12日時点「割烹こめを」の営業再開日は未定。港区公式サイトの発表ページは、公表期間の経過により施設名・営業者名の記載が削除されている
9月14日現地取材で、営業停止処分が明けたあとも店の入口に郵便物が溜まり、営業時間になっても明かりが灯っていない状態が続いていることが報じられる。近隣の飲食店によれば、騒動後にこめお氏から挨拶や謝罪を受けたという話は特にないという。テレビ朝日の取材にこめお氏は「僕から料理を取ったら何も残らないので、この飲食店を潰すという決断になったとしても、いつかはまたお客様の前に立ちたい」とコメント
9月16日「割烹こめを」の朝食メニュー「朝餉」(8,800円)・夕食メニュー「夕餉」(19,800円)の価格がSNSで「高すぎる」「ゼロが一つ多くない?」などと話題になる
9月29日時点084deepsで公式サイトの予約システムを直接確認したところ、依然として「利用可能な日付はありません」と表示されている。この時点では営業再開・閉店のいずれも公式には発表されていなかった
10月1日こめお氏が公式SNSで「割烹こめを」の閉店を発表。「何が足りなかったのか」「自分自身も一度料理人として立ち止まります」とコメントし、体調を崩した人への対応を含め責任と向き合い続けると表明(オリコン・デイリースポーツ報道)
10月10日X上で、被害を訴える人たちがThreadsに「連絡しても返信がない」「休業補償・慰謝料の申請に触れないまま一律3万円のお見舞金の連絡が来た」と投稿していることが拡散(約117万件表示)。ただし投稿者側の主張で、こめお氏側の見解は今回確認できていない

ここで数字がややこしいので整理しておく。「78人」(9月3日時点)、「123人」(9月11日時点)は、保健所が疫学調査や検便をもとに食中毒の患者として確認・断定した人数だ。一方「116人」(8月31日時点)、「160人超」(9月4日時点の報道)、「250人」(9月11日時点)は、みなと保健所に体調不良を訴える連絡があった人の数で、全員が食中毒と確定したわけではない、より広い集計にあたる。ニュースによって人数が違って見えるのは、「食中毒と断定された人数」と「体調不良を申し出た人数」という、集計の段階が違う数字が混在しているためだ。どちらの系列の数字も、時間の経過とともに増え続けている点には注意したい。

「食材の使い回し」疑惑はどうなっているのか

騒動が広がった大きなきっかけは、こめお氏自身の投稿だった。8月22日、雨で祭りが一部中止になった際、「700食余ってしまった」とSNSに書き込んでいたことから、「余った食材を翌23日の販売に回したのでは」という疑惑がネット上で広がった。

これに対しこめお氏は8月28日、X(旧Twitter)で「現時点で確認できている事実をお伝えします」として、複数の疑問に一問一答形式で回答する投稿をおこなった。「22日に余った商品を、23日の販売に使用した事実はありません」と明確に否定したほか、「冷やし蟹ラーメンは浅草『かにを』の通常商品ではなく、麻布十番納涼まつりに出店した『割烹こめを』の限定メニューである」こと、「臨時営業許可の申請をおこなっていた」ことなどを説明している。

一方で、港区が9月3日に出した公式発表には、使い回しの有無についての言及はない。発表されているのは「冷やし蟹ラーメンからサルモネラ属菌が検出された」という原因菌の特定までで、使い回しがあったかどうかは、現時点(2026年9月6日)では公式に確認された事実ではない。

週刊女性PRIMEなどは、こめお氏が否定した「商品」という言葉が、完成したラーメンだけを指すのか、スープや蟹などの「食材」まで含むのかが曖昧だと指摘している。つまり「完成品としてのラーメンは使い回していないが、食材の一部は使い回した」という可能性まで否定できているのか分からない、という見方だ。この点は、こめお氏本人からさらに詳しい説明が出ない限り、憶測の域を出ない。

謝罪文の言葉遣いに向けられた指摘

こめお氏は9月3日の営業停止命令を受けて謝罪文を公表したが、その表現をめぐってもいくつか指摘が出ている。

1点目は、先ほど触れた「商品」と「食材」の違い。2点目は、「臨時営業許可の申請を行った」という説明について、「申請した」ことと「許可を得た」ことは別で、実際に許可を取得していたのかが分かりにくいという指摘だ。3点目は、謝罪文で「一度、営業を休止し」と書かれていた点。実際は港区から7日間の営業停止命令という行政処分を受けているにもかかわらず、あたかも自主的に休業を決めたかのような書きぶりに見える、という批判がネット上で出ている。

これらはあくまで報道やSNSユーザーによる「言葉の解釈」への指摘であり、こめお氏がそうした意図を持って書いたと断定されているわけではない。もう一点、9月5日にこめお氏が丸刈り・黒スーツ姿の再謝罪動画をXで告知した際の投稿には、「食中毒事故について」という表現が使われていた。この投稿には、Xの「コミュニティノート」機能によって「故意でなくても『事件』として数えられます。『事故』ではありません」という補足が付けられている。

コミュニティノートは、Xの利用者が任意で追加できる補足情報であり、行政や捜査機関による公式な見解ではない。ただし、「事故」と「事件」のどちらの言葉を使うかという点も、謝罪の受け止められ方に影響する要素として、SNS上で注目された。

サルモネラ以外の菌も検出されていた?

Togetterのまとめやニュースサイトによると、SNS上で港区の詳細な検査データを引用したアカウントが、患者のふん便からサルモネラ属菌以外にも、プレジオモナス属菌や下痢原性大腸菌、黄色ブドウ球菌が検出されていたと指摘している。プレジオモナス属菌は主に淡水環境に生息する菌とされ、動物由来のサルモネラ属菌と同時に検出されたことから、「動物のふん便による汚染」と「淡水由来の汚染」が同時に起きていたのではないかという分析がSNS上で広がった。

港区がウェブサイトで公表している発表文には「サルモネラ属菌を検出」としか明記されておらず、当初この詳細な検体内訳はSNS経由の情報にとどまっていた。ただし2026年9月11日放送のテレビ朝日系「グッド!モーニング」では、みなと保健所の担当者が出演し、店内の拭き取り調査で黄色ブドウ球菌が検出されたことを説明している。担当者は「本当に清潔にして食品を扱うという場面であれば通常は出ないものですが、掃除が行きわたらないこと、トイレに行った後の手洗いをきちんとしないことによって、起こりうるもの」とコメントしており、この点についてはテレビ番組内での保健所担当者自身の発言として確認できる。一方、プレジオモナス属菌や下痢原性大腸菌についての詳しい検査結果の原本は今回確認できておらず、この2つの菌に関する部分は引き続き「SNS上でそう指摘されている」という段階の情報として扱うのが妥当だろう。

法的な責任はどうなるのか

食中毒をめぐる法的リスクについて、東スポWEBの取材にアディーレ法律事務所の弁護士がコメントを寄せている。それによると、必要な衛生管理を怠った結果として食中毒が発生し、利用客に健康被害が生じた場合には、業務上過失致傷罪に問われる可能性があるという。また、被害者側からの民事上の損害賠償請求(治療費、休業損害、慰謝料など)も想定されるとしている。

あくまで一般論としての法律専門家の見解であり、2026年9月11日時点で、こめお氏本人の刑事責任が問われることが決まったわけではない。今後の調査で衛生管理上の問題や責任の所在がどこまで明らかになるかによって、状況は変わってくるだろう。

保健所の調査を受けても「混入源は特定できず」(9月8日)

こめお氏は9月5日に丸刈り・黒スーツ姿でYouTubeに再謝罪動画を公開した後、9月8日にも3本目の動画を公開し、保健所調査を踏まえて自らサルモネラ属菌の混入源を検証した結果を説明した。

説明によると、とうもろこし豆乳スープからは菌が検出されず、カニは180℃で揚げてから急速冷却し、提供前に揚げ直す工程のため可能性は低いとした。スープの保存容器も新規購入・洗浄消毒済みのため可能性は低いと説明している。一方で従業員2名からサルモネラ属菌が検出されたが、これが感染源だったと断定するまでには至らなかったという。

結論として、こめお氏は「具体的な混入源や混入経路の特定には至らなかった」とした上で、「これまでと同じ衛生管理を続けることはない」として、仕込みから調理・冷却・保存・運搬・手洗いまで工程全体を見直す考えを示した。

この動画に対しては、「原因が分からないまま再発防止を約束しても説得力がない」「手元のメモに何度も視線を落としており準備不足に見える」といった批判が相次いだ。一方で、前回の動画では閉じていたコメント欄を今回は解放していた点を評価する声もあったが、これも営業停止処分が明ける9月10日の2日前の公開だったため、営業再開に向けた地ならしではないかという見方も出ている。

いずれもこめお氏本人による説明であり、港区(保健所)が「混入源を特定できなかった」と公式に発表したものではない点には注意したい。

営業停止処分が明けたあとの動き

7日間の営業停止処分(9月3日~9日)は9月9日で終了した。しかし「割烹こめを」はすぐには営業を再開せず、こめお氏は「閉店をすることを視野に入れているが、衛生管理体制の見直しと再発防止策を徹底した上で、営業再開するかどうかを判断する」としており、2026年9月11日時点で再開日は決まっていない。つまり、閉店が正式に決まったわけではなく、再開か閉店かを検討している段階だ。

9月10日には、浅草の「かにを」店舗で緊急消毒が実施された。首都圏のクリーニング会社「株式会社ニューマン」の代表が、格闘技イベント「BreakingDown」関係の実業家・溝口勇児氏の紹介で、細菌の拭き取り検査と衛生管理指導を行ったという。同社は毎月全職員の検便実施と毎日の健康管理記録の徹底を約束させ、実行されなければ支援を打ち切ると宣言したと報じられている。

ただしSNS上では、この対応についても「汚いのはこめおの衛生管理に対する人間性の問題」「論点がズレてないか。一時的な措置で解決策にはならない」といった、根本的な意識改革を求める冷ややかな声が目立った。

同じ9月10日には、こめお氏が「割烹こめを」「かにを」のスタッフとともに衛生講習を受講したことも報告されている。具体的な改善策として、次亜塩素酸ナトリウムによる殺菌・消毒の徹底、月1回の従業員検便と日々の体調確認、段ボールでの保存から衛生管理しやすいコンテナへの変更、調理器具の洗浄・交換頻度の見直しを実施したという。こめお氏はX(旧Twitter)で「衛生管理に対する意識が十分ではなかったと痛感した」「安全に食べていただくことが何よりも先にある」とコメントしている。

なぜ浅草の「かにを」は営業停止にならなかったのか

SNS上では、こめお氏が浅草で展開するカニラーメン専門店「かにを」について、「同じカニラーメンを扱っているのに、なぜ営業停止にならないのか」という疑問の声も見られた。一部メディアも、こめお氏と共同経営者の溝口勇児氏との関係にからめてこの点を取り上げている。

これについて確認できる事実を整理すると、今回食中毒の原因となった「冷やし蟹ラーメン」は、麻布十番納涼まつり向けに「割烹こめを」が調理・提供した限定メニューであり、浅草の「かにを」の通常メニューとは別物だ。港区の営業停止命令も、実際に問題のラーメンを調理・提供した「割烹こめを」に対して出されたもので、「かにを」自体は今回の食中毒の原因施設として特定されていない。そのため、「かにを」は法的な処分の対象にはなっていないが、9月10日には前述の緊急消毒・衛生講習の対象として、こめお氏の判断でスタッフとともに衛生管理の見直しをおこなっている。

騒動の影響は出店イベントにも及んでいる。9月3日夜には、9月11日から開催の「東京カレー万博」が「かにを」の出店(9月17日~23日分)取りやめを発表し、代わりに別店舗が出店することになった。同じく10月開催の「大つけ麺博 presents ラー1グランプリ」も、11月7日~11日に予定していた「かにを」の出店を取りやめている。いずれも「麻布十番祭りにおける食中毒事案について、関係機関からの発表を受け」たことを理由に挙げている。

患者数123人に上方修正、衛生管理記録は「一切なし」だったと判明(9月11日)

2026年9月11日、港区は記者会見を開き、食中毒の患者数を78人から123人に上方修正したと発表した。体調不良を訴える相談自体は250人に上るという。清家愛港区長は「港区全体でもこれほど大きな食中毒が起きたことは初めて」と述べており、港区史上最大規模の食中毒事案になったことを明らかにした。

同じ会見では、食品衛生法で作成が義務付けられている衛生管理記録を、「割烹こめを」が通常の営業段階から一切作成していなかったことも判明した。みなと保健所長は「普通の店舗であり得ないものだと思う」とコメントしている。

これを受け、こめお氏本人も取材に応じ、「(記録を)付けないといけないという認識はありました。優先順位が下がってしまった。僕自身の根本の衛生管理に対する意識の甘さがあった」と説明した。9月10日に本人が公表していた「月1回の従業員検便」「毎日の体調確認」といった改善策(前述)は、裏を返せば、今回の事故が起きるまでこうした基本的な取り組みすら実施していなかったことを意味する。SNS上でも「これって今までやってなかったってことよね?」といった、この点を問題視する声が広がった。

なお、9月3日の港区発表では、患者78人の内訳は男性48人(1歳~61歳)、女性30人(9歳~47歳)とされており、1歳の男児が含まれていたことも報じられている。123人への上方修正後の詳しい年齢別内訳は、2026年9月12日時点では確認できていない。

SNS・世間の反応

SNS上では、78人という患者数が確定した直後にこめお氏が自身の店の今後について言及したことに対し、「今それを言うタイミングなのか」といった反発の声が見られた。また「116人ニキ」といった、ネットスラング的な揶揄を含む呼び方も広まった。

週刊女性PRIMEは、こめお氏が過去にTikTokなどへ投稿していた調理動画について、食材を屋外に常温で置いていた、スマートフォンを触った手で刺身を切っていたといった衛生面の懸念点を指摘しており、実業家の堀江貴文氏もこうした衛生管理の甘さについて言及したとされる。「全閉店にすべきだ」という厳しい意見も見られたという。

その後の丸刈り謝罪動画や緊急消毒についても、「対応しているアピールに見える」「本質的な衛生管理の意識が変わらなければ意味がない」といった、根本的な姿勢を問う声がSNS上で目立っている。

9月9日には、2025年8月に投稿されていた過去の調理動画(具材に卵の殻を押しつける場面)が掘り起こされて改めて批判の対象になった。漁師系YouTuber「素潜り漁師マサル」氏は「人の体に入るものを売っておいて『事故が起きたらその時考えればいい』ってマジでイカれてるよ」と、料理研究家でYouTuberの「リュウジ」氏も「前提としてこめおが100%悪い」とそれぞれコメントしており、同業者・近い業界の発信者からも厳しい声が上がった。

9月11日に患者数123人・衛生管理記録なしという事実が明らかになった後は、「衛生記録すら付けていなかったのはさすがに擁護できない」「123人が食中毒でも『学び』という言い方に違和感がある」といった、より厳しい批判がSNSや一部の言論プラットフォームで見られるようになった。9月16日には、営業停止という騒動のさなかにもかかわらず「朝餉」8,800円・「夕餉」19,800円という価格設定が変わらず維持されていることに対しても、「この値段出して食うやついるのか」といった困惑の声が上がっている。

いずれもSNS上や一部メディアでの反応であり、世間全体の総意ではない点には注意が必要だ。

営業停止処分が明けても店は開かず(9月14日〜)

前述の通り、7日間の営業停止処分は9月9日で終了したが、「割烹こめを」はその後も営業を再開していない。2026年9月14日の現地取材によれば、処分明け当日にあたる9月10日の時点で、店の入口には郵便物が溜まり、営業時間になっても店内に明かりが灯ることはなかったという。近隣の飲食店によれば、騒動後にこめお氏から挨拶や謝罪を受けたという話は特に聞いていないとのことで、専門業者による店内消毒は実施されたとみられるものの、営業再開に向けた具体的な動きは表からは見えにくい状態が続いた。

こめお氏はテレビ朝日の取材に対し、「僕から料理を取ったら何も残らないので、この飲食店を潰すという決断になったとしても、いつかはまたお客様の前に立ちたい」とコメントしている。「割烹こめを」という店舗については閉店の可能性を認めつつ、料理人としての活動自体は続けたいという趣旨の発言だ。実際、実業家・桑田龍征氏が9月12日にYouTubeで公開した動画には、保健所による原因断定の2日前(9月1日)に撮影された、目に大きなクマを浮かべたこめお氏が「料理を辞めようかなっていうのはすごい思った」「自分や自分の店が原因だったのであれば、店は閉じようかなという風には今も思う」と語る場面が収録されており、断定前の時点からすでに閉店を検討していたことがうかがえる。

また、2026年9月16日には、「割烹こめを」の朝食メニュー「朝餉」(8,800円)・夕食メニュー「夕餉」(19,800円)という価格設定がSNSで「高すぎる」「ゼロが一つ多くない?」などと話題になった。衛生管理の問題が明らかになったタイミングと重なったことで、価格に見合うだけの信頼が保たれているのか、という厳しい目が向けられた形だ。

084deepsであらためて公式の予約サイト(TableCheck)を確認したところ、2026年9月29日時点でも「利用可能な日付はありません」と表示されており、依然として予約を受け付けられる状態にはなっていない。公式サイト(comewo.info)のお知らせ欄にも、食中毒事案や営業再開・閉店に関する新しい告知は掲載されていない。

閉店の発表(10月1日)と、まだ分かっていないこと

2026年10月1日、こめお氏は公式SNSで「割烹こめを」を閉店することを発表した。オリコンやデイリースポーツの報道によると、コメントの主な内容は次の通りだ。

  • 「何が足りなかったのか、自分は料理を提供する人間として、本当にお客様の命や健康に向き合えていたのか」と自問した
  • 「自分自身の未熟さ、認識の甘さ、そして飲食店を経営する人間としての責任の重さを痛感している」と述べた
  • 「このまま続けていくことはできない。そう判断しました」「自分自身も一度料理人として立ち止まります」とした
  • 「これは、今回のことをなかったことにするためでもありません。閉店すれば責任を果たせるとも思っていません」と述べ、体調を崩された方々への対応を含め、責任と向き合うことは今後も続けると明言した

9月5日の謝罪動画で語っていた「閉店も視野に入れている」、9月14日のテレビ朝日の取材で語っていた「いつかはまたお客様の前に立ちたい」という発言の流れを踏まえると、今回の発表は「店は閉じるが、料理人としての活動は一度立ち止まる」という整理に見える(これは084deepsの受け止めで、本人が今後の活動について詳しく述べたわけではない)。

ここから先は、2026年10月1日時点で報道を確認した範囲の「まだ分かっていないこと」だ。

  • 閉店の具体的な日付:確認した報道では、閉店日は明記されていなかった
  • 浅草の「かにを」の今後:報道では営業中とされているが、今後の方針についてこめお氏から詳しい説明があったかは確認できていない
  • 被害に遭った人への補償や対応の具体的な内容:「個別に対応していく」という趣旨の発言はあるが、補償の内容や方法は確認できていない(10月10日には、被害を訴える人から「一律3万円のお見舞金の連絡だけ来た」といったSNS上の声が出ている。詳しくは後述)

港区の公式発表ページ(9月3日付)は、2026年9月12日時点で確認したところ、公表期間の経過を理由に施設名・営業者名の記載が削除されていた。ただし、患者数については9月11日の記者会見で123人に上方修正されており、あわせて衛生管理記録が一切作成されていなかったことも明らかになっている。今後この事案について新たに港区から追加の発表がある場合は、別ページで公表される可能性がある。

法的な面では、前述の通り業務上過失致傷罪などの刑事責任や、被害者からの民事上の損害賠償請求に発展する可能性がある。また、こめお氏がかねて「ミシュランを取る」と公言していたこともあり、今回の騒動がその目標にどう影響するかを指摘する報道もある。いずれも2026年10月1日時点では確定していない、今後の推移次第の話だ。サルモネラ属菌の混入源についても、こめお氏本人の説明では特定に至っておらず、保健所側からさらに詳しい調査結果が公表されるかどうかも注目される。

なお、ネット上の一部まとめサイトでは「こめお氏が逮捕される」といった見出しも見られたが、2026年10月1日時点でも、大手報道機関による逮捕の事実確認は取れていない。信頼性の低い情報源による見出しであり、本記事では事実として扱わない。

閉店後、被害を訴える人から補償対応への不満の声(10月10日)

閉店発表から9日後の2026年10月10日、Xで「補償対応」をめぐる投稿が大きく拡散した。「あおい みゆ」氏(@japan_miyu_)が、食中毒の被害を訴える人たちのThreads投稿をスクリーンショットで紹介した「【続報】」の投稿で、084deepsが確認した時点(10月10日)で約117万件表示されていた。

投稿に添えられた画像から読み取れる、被害を訴える人たち自身の書き込みの要点は次の通りだ(匿名のSNS投稿であり、いずれも本人の申告)。

  • 「連絡をしても返信がない」:9月に3回、メールとフォームから連絡したが返信がなく、10月になってようやく返事が来たという
  • 「休業補償も慰謝料も触れられず、お見舞金3万円」:フォームに申請した休業補償・慰謝料の内容には触れないまま、一律3万円のお見舞金を支払うという連絡が来たという
  • 「他の被害者も連絡が来ていない」:連絡を取り合っている他の被害者の多くも、連絡が来ていないと話しているという
  • 港区が案内する弁護士の無料相談などを利用した人もいるが、「1回のみで解決につながらなかった」という声もあった

投稿者は「被害者の休業補償をしないらしい」と書いているが、これは複数のThreads投稿を投稿者がまとめた表現だ。こめお氏側が休業補償の可否や補償方針について公式に述べた内容は、084deepsが確認した範囲では見つかっていない。今回の情報は「被害を訴える人たちが、SNS上でこう主張している」という段階にとどまり、補償の実態や対応の経緯までは確認できない。10月1日の閉店発表で本人が「体調を崩された方々への対応を含め、責任と向き合う」と述べていたことと、実際の連絡の状況に隔たりがあると感じている人がいる、という点は押さえておきたい。

こめお氏側からの説明や、港区・保健所による追加の発表が出た場合は、あらためて追記する。

まとめ

こめお氏が営む「割烹こめを」が麻布十番納涼まつりで販売した「冷やし蟹ラーメン」による食中毒は、港区みなと保健所が2026年9月3日時点で78人と断定していたが、9月11日には123人に上方修正された。体調不良を訴える相談自体は250人に上っており、こちらの人数も今後さらに変動する可能性がある。あわせて、法律で義務付けられた衛生管理記録を「割烹こめを」が一切作成していなかったことも判明し、港区史上最大規模の食中毒事案となった。

こめお氏はその後も丸刈り姿での謝罪動画や、保健所調査を踏まえた混入源の検証結果、衛生講習の受講を公表し、9月11日の会見後には「衛生管理に対する意識の甘さがあった」とあらためて説明したが、原因の特定には至らず、緊急消毒などの対応を重ねてもSNS上では厳しい声が続いている。営業停止処分が明けた9月9日以降、店は一度も営業を再開しないまま、10月1日にこめお氏が「割烹こめを」の閉店を発表した。本人は「閉店すれば責任を果たせるとも思っていません」とも述べており、体調を崩した人への対応は今後も続くことになる。

「前日に余った食材を使い回したかどうか」や、「サルモネラ以外の菌も検出されていたのか」といった点も、公式発表だけでは確認しきれない部分として残ったままだ。今回の騒動は「何が確定した事実で、何がまだ分かっていないのか」を整理しながら見ていく必要があるテーマであり、被害に遭った人への対応や「かにを」の今後などの続報が出次第、この記事もあらためて更新したい。

なお、今回のような食中毒のニュースを見て、自宅での調理や屋外イベントでの食品の温度管理が気になった人もいるかもしれない。中心温度を素早く確認できる調理用の温度計があると、日々の食品衛生の目安として役立つ。

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