「羽鳥慎一モーニングショー」で辛口コメントを飛ばす玉川徹さん。政治や経済のニュースに切り込む姿でおなじみだが、その発言がたびたびSNS上で話題になり、時には炎上騒動に発展することもある。
この記事では、玉川さんがどのような経歴を歩んできた人物なのかを整理したうえで、これまでの主な発言と、それに対するSNS上の反応(批判・擁護の両方)を時系列でまとめる。
玉川徹のプロフィール
玉川徹さんは1963年7月生まれ、宮城県柴田郡大河原町出身。2026年9月時点で63歳になる。京都大学大学院農学研究科の修士課程を修了しており、テレビのコメンテーターとしては珍しい理系の学歴を持つ。プライベートでは離婚歴があることが知られている。
テレビ朝日入社からコメンテーターになるまでの経歴
玉川さんは1989年にテレビ朝日へ入社した。最初の配属は『内田忠男モーニングショー』で、アシスタントディレクターとしてキャリアをスタートさせている。
その後、2002年10月から2011年3月まで『スーパーモーニング』でディレクター兼リポーターを担当し、「ちょっと待った!玉川総研」という冠コーナーを持つようになった。この経験がのちのコメンテーターとしてのスタイルの土台になったとみられる。
番組が『モーニングバード』に移行した2011年4月から2015年9月まではコーナー担当を続け、2015年10月からは『羽鳥慎一モーニングショー』のレギュラーコメンテーターとして本格的に出演するようになった。
2023年7月31日にテレビ朝日を定年退職したが、その後はフリーの立場で同番組への出演を継続している。2024年4月からはTOKYO FMで『ラジオのタマカワ』のパーソナリティも務めるなど、テレビの枠を超えた活動も広げている。著書には『税金返せ!』(2004年)、『玉川徹のちょっと待った!総研』(2011年)などがある。
これまでの主な発言・炎上の時系列
玉川さんは経済や政治のニュースに踏み込んだコメントをすることで知られるが、事実誤認や表現の不適切さから謝罪や処分に至ったケースも複数ある。確認できている主な出来事を時系列で整理する。
| 時期 | 内容 | 結果・対応 |
|---|---|---|
| 2020年1月 | 「箕面の滝」に関する発言が事実誤認だと箕面市長から抗議を受ける | テレビ朝日が謝罪 |
| 2020〜2021年 | 新型コロナに関して複数の事実誤認発言(PCR検査の感度を「ほぼ100%近い」と発言するなど) | その都度、番組内で訂正・謝罪 |
| 2022年3月 | ロシアの侵攻を受けたウクライナに対し、早期降伏を促すような趣旨の発言 | 番組出演者から反論を受ける |
| 2022年6月 | 保険適用外の帯状疱疹ワクチンについて「保険がきく」と誤って発言 | 翌日に番組内で訂正・謝罪 |
| 2022年9月28日 | 安倍晋三元首相の国葬に関連し「当然電通入ってますからね」と発言 | 翌日に訂正・謝罪。同年10月4日、テレビ朝日が出勤停止10日間の懲戒処分 |
| 2023年4月6日 | タワーマンションについて「タダで住んでいるのと一緒」と発言 | 視聴者から戸惑いの声 |
| 2024年8月21日 | 神戸市のタワマン規制方針に対し、都心にタワマンを建て人口を集中させる方が街づくりに合理的だと持論を展開 | 神戸市長側から反論 |
| 2025年7月21日 | 参院選(投票率57.91%)について、政治知識のない人がSNSの情報に感化されて投票しているのではないかという趣旨の発言 | SNSで「国民を馬鹿にしている」といった批判が拡散 |
| 2025年8月25日 | 愛知県豊明市の「スマホ1日2時間」条例案に関連し、「SNSはいい面はあるにせよ、社会的にはマイナスの方が大きい」と私見を述べる | ネットの反応は賛否両論 |
| 2025年10月27日 | 鈴木憲和農水相へのコメ政策追及で、相手を指差しながら厳しく迫る | 「威圧的で失礼」と視聴者から批判 |
| 2026年4月10日 | 米国とイランの協議に同席したジャレッド・クシュナー氏について「ユダヤ人ですよね? むしろいないほうがいい人のような気がする」と発言 | 駐日イスラエル大使が抗議書簡を送付。テレビ朝日が「差別と受け取られかねない」として謝罪 |
| 2026年8月13日 | 共演者から「ネットで『左翼』とたたかれている」と指摘され、困惑を口にする | 本人にもネットの評価が届いていることが話題に |
2022年、電通発言による懲戒処分
とりわけ大きな騒動になったのが、2022年9月28日の安倍晋三元首相の国葬に関する発言だ。玉川さんは国葬の運営について「当然電通入ってますからね」と、事実確認が不十分なまま発言。翌日に訂正・謝罪したものの、テレビ朝日は同年10月4日付で玉川さんを出勤停止10日間の懲戒処分とした。生放送の場での不用意な発言が、実際の処分にまで発展した珍しいケースといえる。
2026年4月、ユダヤ人発言をめぐる国際問題化
2026年に入ってからの騒動としては、4月10日放送回での発言が大きな波紋を呼んだ。米国とイランの協議にトランプ大統領の娘婿であるジャレッド・クシュナー氏が同席することについて、玉川さんは「ユダヤ人ですよね? このイランとの協議に関しては、むしろいないほうがいい人のような気がする」と発言した。
これに対し、4月13日の時点ではテレビ朝日の広報部は「クシュナー氏が協議に出席することの影響について質問したもの」として「ご指摘には当たらない」との見解を示していた。ところが4月14日、駐日イスラエル大使のギラッド・コーヘン氏がX(旧Twitter)で、この発言が「ユダヤ人であるという理由で外交交渉から排除されるべき」と示唆していると指摘し、テレビ朝日へ正式な抗議書簡を送付したことを公表。事態を受けて4月15日、テレビ朝日は「差別と受け取られかねない、説明不十分で表現に配慮が足りなかった」として謝罪した。
この件については、ジャーナリストの志葉玲氏がYahoo!ニュース エキスパートへの寄稿で異なる視点を示している。玉川さんの「ユダヤ人ですよね」という表現の粗さは認めつつ、日本のメディアがイスラエル大使の抗議ばかりを強調し、クシュナー氏がネタニヤフ首相と家族ぐるみの関係にあるという本質的な論点にほとんど触れていない、という報道の不均衡を批判する内容だ。あくまで一人のジャーナリストによる論考ではあるが、この騒動が単純な「差別発言」という切り取り方だけでは語れない側面を持っていたことがうかがえる。
SNS上での評判:批判と擁護が入り混じる
玉川さんに対するSNS上の評判は、一言でまとめるのが難しいほど賛否が分かれている。
批判的な声
2025年7月の参院選投票率をめぐる発言では、「知識がなければ投票に行くなという不適切な言い方だ」「国民を馬鹿にしているのか」といった批判がSNS上で相次いだ。投票率の上昇自体は民主主義の観点から歓迎すべき動きだという受け止め方が多く、玉川さんの発言はこれに水を差すものと捉えられた形だ。
同年10月の鈴木農水相への追及でも、発言内容そのものよりも「相手を指差しながら話すのが失礼すぎる」「威圧的」といった、コミュニケーションの取り方に対する批判が目立った。
2026年8月13日には、共演者から「ネットで『左翼』とたたかれている」と直接指摘される一幕もあった。玉川さんは「僕を『左翼』と、なんでたたくんだという感じ」と戸惑いを見せており、こうしたレッテル貼り的な評価が本人の耳にも届くほど広く浸透していることがうかがえる。
一定の理解・支持を集めた場面
一方で、すべての発言が批判一色というわけではない。2025年8月のSNS/スマホ条例をめぐる発言では、「テレビ関係者はSNSを”仮想敵”にしている」という批判的な声がある一方、「スマホの使いすぎで心も脳も疲弊している」と共感する声も一定数あった。
また、2024年8月のパリ五輪では、選手への誹謗中傷が問題化するなかで「批判と誹謗中傷がわからないぐらいだったら投稿するな」と発言し、これは誹謗中傷を戒める発言として比較的肯定的に受け止められている。
スポーツ関連では、2026年9月14日放送回で、やり投げの北口榛花選手が負傷を乗り越えて日本新記録をマークしたことについて「ギリギリでやっているから」「本当にすごいこと」とたたえるなど、選手をリスペクトするコメントも多く、こうした場面では批判よりも好意的な反応が目立つ。
このように、政治的・社会的なテーマで持論を強く主張する場面では批判を浴びやすい一方、スポーツやコメンテーターとしての率直な感想を述べる場面では一定の支持も集めており、単純な「炎上コメンテーター」という一面的な評価には収まらない人物といえる。
まとめ
玉川徹さんは、1989年のテレビ朝日入社からディレクター、リポーターを経てコメンテーターへと転身し、2023年の定年退職後もフリーの立場で「モーニングショー」に出演を続けている、長年”朝の顔”のひとりだ。
経済・政治への切り込んだコメントには根強い支持がある一方、2022年の電通発言による懲戒処分、2026年のユダヤ人発言をめぐる国際問題化など、事実誤認や表現の不適切さが原因で謝罪・処分に至ったケースも少なくない。SNS上では「左翼」といったレッテルで批判される場面もあれば、誹謗中傷を戒める発言やアスリートを称える発言のように好意的に受け止められる場面もあり、評価が大きく分かれる人物だ。今後も発言のたびに話題になる可能性が高く、新たな動きがあれば改めて確認していきたい。


