杨曦哲(Yang Xizhe)とは何者か?「未来のイーロン・マスク」と呼ばれる杭州の13歳AI少年

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中国・杭州に住む13歳の中学生が、AI(人工知能)を使いこなす姿でSNSの人気者になり、「未来のイーロン・マスク」と呼ばれている。名前は杨曦哲(Yang Xizhe)さん。きっかけは、AIで英単語を覚える方法を紹介した1本の動画だった。

South China Morning Post(SCMP)など海外メディアが報じているが、日本語での紹介はまだ確認できない。この記事では、杨曦哲さんがどんな活動をしているのか、そして「未来のイーロン・マスク」という評価に本人と両親がどう向き合っているのかを、確認できた情報をもとに整理する。

杨曦哲さんはどんな人物か

杨曦哲さんは中国・浙江省杭州市富陽区在住の13歳。地元の富春中学に通う中学2年生で、SNS上では「喜欢编程的杨同学(プログラミングが好きな楊くん)」の名前で活動している。全SNSを合わせたフォロワー数は約50万人にのぼる。

プログラミングを始めたのは小学2年生の頃で、子ども向けビジュアルプログラミング言語「Scratch」からスタートした。小学5年生になる前にはC++へ移行し、2023年には父親の勧めでAIの活用を始めたという。現在は、自然言語でAIにコードを生成させる「vibe coding」と呼ばれる手法を主に使っているとされる。

きっかけは2,000万回再生の英単語学習動画

杨曦哲さんが注目を集めたのは、2025年の春節(旧正月)期間中に投稿した1本の動画がきっかけだった。バイトダンス(ByteDance)のAIチャットボット「豆包(Doubao)」を使い、英単語を物語に組み込んだり、口述テストを実施・添削したり、小テストを自動生成したりする様子を紹介した動画が、再生回数2,000万回を記録したのだ。

この動画をきっかけに、杨曦哲さんは複数のハッカソン(短期間でアイデアやプログラムを競うイベント)にも参加するようになる。中国語メディア・英語圏メディアの報道を総合すると、2025年から2026年にかけて次のような成果を挙げている。

  • 探月中学生ハッカソン大会:視覚障害者向けのAIメイクアップ支援システムを開発し1位を獲得
  • HackMIT China(青少年版、2025年3月):AI搭載の学校給食弁当箱(食事管理機能付き)でベストピッチ賞・部門2位を受賞
  • 小紅書(RedNote)第1回ハッカソン選手権(2025年4月):クリエイター向けの投稿診断ツールで「AIネイティブ」特別賞を受賞。中国メディアの報道では10万元での買収オファーを受けたとも伝えられている

ハッカソンの個別の開催年については情報源によって表記にわずかな差があり、正確な日付までは断定できない部分もある。ただ、複数のハッカソンで実際に受賞していること自体は、複数の報道で一致して確認できる。

「AIは乗数、自分がゼロなら何を掛けてもゼロ」

杨曦哲さんは、AIの実力を初めて実感したときのことを「当時は本当に驚いた。AIがここまで強力になっていたとは」と振り返っている。

印象的なのは、AIへの向き合い方だ。杨曦哲さんは「AIの力は自分自身の力ではない。まず自分の中に土台となる『1』がなければ、AIはそれを『100』に増幅させることはできない」という趣旨の発言をしている。英語圏の報道では、この考え方が「AIは乗数、ユーザーは基数。自分がゼロなら何を掛けてもゼロ」という表現で紹介されている。

自らを「AIネイティブ世代」と位置づけ、「自分の世代にとってAIは空気や水のように当たり前の存在になる」と語る一方、学校の勉強をおろそかにしているわけではない。学年順位はおおよそ50位前後で、本人いわく「平均より少し上」を維持する方針だという。1日のうちプログラミングとAIの学習に充てる時間は3時間と決めている。将来の夢はプログラマーかAI研究者で、「世界に少しでも変化をもたらせたら」と話している。

「未来のイーロン・マスク」呼ばわりには本人・両親とも冷静

ハッカソンでの活躍から、周囲やメディアは杨曦哲さんを「未来のイーロン・マスク」と呼ぶようになった。しかし、本人と両親は、この呼び方についてはむしろ過大評価だとして距離を置いているという。

両親の対応も落ち着いている。中国メディアの報道によれば、両親は子どものペースに合わせるため自らAIを学び直し、投資家チャーリー・マンガーが提唱する「多元的思考モデル」を教えるなど、天才児をあおるのではなく地に足の着いた関わり方をしているとされる。派手な「神童」報道になりがちなテーマの中で、この本人・家族の距離感は珍しいバランス感覚といえそうだ。

日本ではまだ知られていない存在

084deepsが検索した限り、2026年9月時点で杨曦哲さんを紹介する日本語記事は確認できなかった。SCMPやその記事を転載した東南アジア圏のメディアでは報じられているが、日本語圏ではまだ話題になっていない段階とみられる。

084deepsでは以前、SNSで話題になった中国の人物を日本でまだ無名なうちに紹介したことがある。

杨曦哲さんのケースも、AI活用というテーマの新しさもあり、今後日本のメディアやSNSで取り上げられる可能性がある人物として、押さえておく価値がありそうだ。

杨曦哲さんも小学2年生でScratchからプログラミングを始め、そこからAIの活用へと進んでいった。子どもに同じようにScratchからAIプログラミングまでの流れを体験させたい家庭には、こんな入門書もある。

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杨曦哲さんと同じく、Scratchでのプログラミング体験からAI活用までを段階的に学べる一冊。

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まとめ

杭州の中学2年生・杨曦哲さん(13)は、AIを使った英単語学習動画が2,000万回再生されたことをきっかけに注目され、複数のハッカソンで受賞するなど活動の幅を広げている。

「AIは自分の力を増幅させる乗数にすぎない」という堅実な考え方を持ち、学校の成績も極端に飛び抜けているわけではなく、日々のバランスを大事にしている点が特徴的だ。「未来のイーロン・マスク」という評価に対しては本人・両親ともに冷静な距離を保っており、単なる「神童」報道とは一線を画す。日本語での紹介はまだ少ないが、今後話題になる可能性がある人物として紹介した。

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