2020年から2021年にかけて、グラフィックボードの在庫が枯渇し、価格も急騰しました。
その大半がマイニングに使われてたとよく耳にしていたかと思います。
- マイニング
- マイニングとは、ブロックチェーン技術を利用した暗号通貨(クリプトカレンシー)の生成過程を指します。
マイニングは、取引の検証と新しいコインの生成を行うプロセスであり、マイナー(採掘者)は計算能力を提供する代わりに報酬として暗号通貨を受け取ります。
自分のPCなどの機器を暗号通貨の諸々の処理の手助けに使わせてあげるイメージ。その報酬を暗号通貨でもらうことを、金山の採掘作業に見立てて「マイニング」と呼ぶわけですな
2025年、グラフィックボードの市場は徐々に落ち着きつつあるようですが、それってマイニングブームが過ぎ去ったということなのでしょうか?
ちょっと調べてみました。
マイニングでグラフィックボードを使う理由
グラフィックボード(GPU: グラフィックス・プロセッシング・ユニット)がマイニングに使われる理由は、その計算能力と効率性にあります。
- 並列処理能力: GPUは、多数のコアを持ち、同時に多くの計算を行うことが得意です。これにより、マイニングに必要な膨大な計算作業を効率的に処理することができます。
- 高いハッシュレート: ハッシュレートは、マイニングのパフォーマンスを示す指標であり、1秒間に実行できるハッシュ計算の回数を指します。GPUはこのハッシュレートが高いため、マイニングに適しています。
- 柔軟性: GPUは、ゲームや映像処理、科学計算など幅広い用途に使用できるため、専用のマイニング機器(ASIC: 専用集積回路)に比べて柔軟性があります。
- コストパフォーマンス: GPUは、一般消費者向けに比較的手頃な価格で提供されており、初期投資が少なく済むことから、多くの個人マイナーにとって魅力的です。
- 容易な入手性: GPUは多くのメーカーが製造しており、一般市場で容易に入手可能です。これにより、個人が簡単にマイニングを始めることができます。
これらの理由から、GPUはマイニングにおいて非常に人気があります。
特に、ビットコインやイーサリアムなどの暗号通貨のマイニングにおいて、その効率性とパフォーマンスが評価されています。
マイニングでどのくらい利益が出るのか?
そんなにグラフィックボードの在庫が枯渇するほどのブーム。
では、どのくらい利益が出るのでしょうか??
仮に、日本で小規模マイニングを自宅で行ったと想定してAIにシミュレーションさせてみました。
年間179,215円の黒字ですが…初年度は初期投資の回収ですらままならないかと。
支出
- グラフィックボード: Nvidia RTX 3090 Ti(約150,000円)
- PC本体: 高性能PC(約200,000円)
- 電力費用: 1日あたり約209円(335W × 24時間 × 26円/kWh)
- 冷却費用: 1日あたり約200円(エアコンやファンの追加稼働)
- その他の費用: メンテナンス費用、インターネット接続費用などを合わせて1日あたり約100円
収入
- ビットコインの価格: 約15,000,000円(1BTCの価格)
- 採掘量: Nvidia RTX 3090 Tiの場合、1日あたり約0.0000667 BTC(約7.82ドル、約1,000円)
- 収益: 1日あたり約7.82ドル(約1,000円)
シミュレーション結果(夏場)
- 1日あたりの収支: 収入1,000円 – 支出509円 = 491円の黒字
- 1年間の収支: 491円 × 365日 = 179,215円の黒字
このシミュレーションでは、ビットコインの価格が高いため、黒字運用が可能となっていますが、実際のマーケット価格や電力費用の変動により異なる場合があります。また、マイニングの難易度や暗号資産の価格も影響しますので、注意が必要です。
夏場のデータでの年間収支なのでアレですが、正直日本の気候や電気料金はマイニングには向いてない感じです。太陽光なんかと組み合わせたら良いかもしれませんが。
ブラウザを使用したマイニング
CryptoTab、Braveといったブラウザを介したマイニング、「ブラウザマイニング」というものもあります。他のマイニング方法に比べてエネルギー消費が少なく、特別なハードウェアを必要としないため、誰でも簡単に始めることができます。
比較的気軽に始められるものですが…本当に雀の何とか程度の報酬です。
日本はマイニングに向いてない?
日本でマイニングを行うのはいくつかの理由で難しいです。
- 法規制: 日本では、暗号資産の取引やマイニングに関する法規制が厳しいです。
特に、暗号資産の取引所が金融庁の登録を受ける必要があります。これにより、マイニング業者も厳しい規制の対象となります。 - 電力費用: マイニングは大量の電力を消費します。
日本の電力費用は高く、特に企業向けの電力料金は世界的に見ても高いです。
これにより、マイニングのコストが増加します。 - 気候条件: 日本の気候は夏は高温になることがあります。
マイニング機器は高温での運用には適しておらず、冷却費用がかかるため、コストが増加します。 - 競争: 日本国内でのマイニング業者は限られており、競争が激しいです。これにより、新規参入者が市場に参入するのが難しくなります。
これらの理由から、日本でマイニングを行うことは難しいとされています。
でも、技術の進歩や規制の変化により、将来的には状況が変わる可能性もあります。
日本のマイニングブームは下火になったのか?
実は最近、日本ではマイニングブームが再燃しています。
特に、NFT関連のマイニングが注目されています。
- NFT
- NFT(エヌエフティー)とは、ブロックチェーン技術を活用して作成された、唯一無二のデジタル資産です。Non-Fungible Token(非代替性トークン)の略で、代替の効かない一点ものを指します。活用例としては、
アートや音楽、写真、動画、音声ファイルなどのデジタルデータ
ゲーム内のキャラクターやアイテム、トレーディングカード
不動産や会員権などの実物資産など
また、日本国内でのビットコインマイニングも増加しており、多くの企業や個人が参入しています。
このブームの背景には、仮想通貨の価格上昇や新たな技術の導入があります。
例えば、エネルギー効率の高いマイニング機器や、持続可能なマイニング方法が開発されています。
ブームが過ぎたというよりも、一般的になって落ち着いたかんじでしょうか?NFTに関しては、「終わった」「終わってない」論争はあるものの、少なくとも消えてはないんです。
まとめ
将来的には、Proof of Stakeなどの新しい技術がマイニングに取って代わる可能性があります。
これにより、エネルギー消費が減少し、ゲーム市場への影響も軽減されることが期待されます。
もし仮に、処理能力が高くて電気代が0円に近ければ日本でもマイニングがごくごく普通になるってことですね。