このタイトルに引き寄せられたり、Googleで検索した人は恐らくアラフィフオーバーの老兵たちだろう。
もっとも、記憶の中にあるのは反社の幹部クラスのような恰幅の良い風貌の俳優たちがCMしてたあの映像の記憶をふとしたタイミングで思い出したからに違いないと、邪推に似た憶測で書いてみる。
そんなみなさんのために、サラッと読めて「え?そうなの?」となるようにまとめられるならこれ幸いかと。
バブルスターとは?
浴槽に取り付けるだけでジャグジー風呂になる超音波温浴器のこと。
原ヘルス工業株式会社(はらヘルスこうぎょう)という、かつて存在した日本の家庭用超音波温水器販売メーカーが製造し、シリーズ化もされていたようです。
社長の原全三郎(本名・原善三郎)は、成人向け雑誌の印刷や家庭用ラドン発生器の製造などを手掛けていた。原ヘルス工業は、泡風呂が疲労回復や神経痛、リウマチ、痔に効果があると謳い、当初は代理店を介して販売していたが、原は会員制普及組織である「ヘルシィバンク協会」も設立した。会員のネットワークによる販売に切り替えることで売り上げは急速に上昇した。
この販売手法における最高の「スーパーゴールド会員」は1台(平均16万円)売れるたびに50%以上のマージンが転がり込む仕組みであった。
「当時、ジャパンライフや豊田商事系のネットワークビジネスをやっていたやり手がごそっとバブルスターに移ってきた。これで、一気に売り上げが伸びた」と証言している。
印象深いバブルスターのCM
太宰久雄や財津一郎と共演したり、CMソングに西城秀樹の「Try Today」(シングル「33才」B面に収録)を採用したり、山城新伍と千葉真一、梅宮辰夫、松方弘樹、北大路欣也を起用するなど、1か月で2億円もの費用をかけて広告を展開した。
販売元のその後
気がつけばCMを見かけなくなったバブルスター。
その後どうなったかきになるところ…。
バブル景気真っ只中の1989年10月期に約620億円の売上を計上、原は高級住宅地に居を構え、ロールス・ロイスを乗り回すなど、順風満帆かに見えた。
しかし1989年12月、ヘルシィバンク協会が訪問販売法違反容疑で捜査を受ける。
さらに医療機器の製造許可を持たない業者が製造していたことが発覚したことに加え、入浴剤の成分が未承認だったことから、1990年に薬事法(現在の医薬品医療機器等法)違反で業務停止となった。
韓国に16億円の小切手を送金していたことが発覚し、風評は急速に悪化。
原ヘルス工業は170億円の負債を抱え、1991年10月に不渡りを出して事業を停止。
事業停止後、原ヘルス工業はさまざまな組織に分裂した(ダンディライオン・フロンティアMIP・サンフラワー・グリーンプラネット・イッツ・ブルーフォックス・日本ベスト等)。
警察に摘発された組織のなかには、のちに日本エコス・グリオなどさらに分裂したものもある。
また、社員や会員は類似した商法をもちいるニュースキンなどに大量移籍をした。
原は1991年3月に化粧品販売会社「ザ マイラ (The Maira)」を立ち上げたが、2008年10月に知人の結婚式に出席するために訪れていた香港で客死した。
原ヘルス工業の代表商品だった「バブルスター」は、ザ マイラが販売を継続し、2023年12月29日まで販売されていた。
2024年8月31日に株主総会で解散を決議。同年11月15日に東京地方裁判所より特別清算開始決定を受けた。負債総額は85億1,835万円
といった感じで、結構最近までは活きた商材だったようです。
まとめ
2023年までは販売されていたというのは驚きですね。
ヤフオクなんかで検索したら、そこそこバブルスターは出品されているみたいです。
MLMで展開したということで、その流れと親和性でニュースキンに社員や会員さんが移行したのも妙に納得しました。