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『kick.com』についてまとめてみた

Kick
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インターネットの普及とともに、ライブ配信プラットフォームが次々と誕生している。
その中でも、近年注目を集めているのが「Kick.com」(以下、Kick)だ。
2022年に設立されたこのサービスは、TwitchやYouTubeといった既存の巨人に挑む新興勢力として話題に上ることが多い。
では、Kickとは一体どのようなプラットフォームなのか。その特徴や歴史、収益モデル、そして横山緑をはじめとする日本人配信者の動向を含めた今後の展望について、順を追ってまとめてみる。

ちなみに、このブログの管理人BBH自身でKICKの色々を検証して情報発信もしていますので、よかったらチャンネル登録もよろしくお願いします。

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Kickの基本情報

Kickは、動画ライブ配信サービスとして2022年12月1日に正式にローンチされた。
運営の背景には、オンラインカジノ「Stake.com」の共同設立者であるビジャン・テーラニとエド・クレーブン、そしてストリーマーとして知られるTrainwreckstv(本名:タイラー・ニキナム)が関わっているとされる。
彼らがどのような役割を担っているのか、公式には創業者なのか投資家なのか明確な線引きがされていない部分もあるが、いずれにせよこの3者がKickの立ち上げに深く関与していることは確かだ。

サービス開始からわずか数年で、Kickは一定の存在感を示している。2023年6月時点で、1日平均23万5000本のライブ配信が行われているというデータもあり、急成長していることがうかがえる。
TwitchやYouTubeといった競合と比較するとまだ規模は小さいものの、特定の層を中心に支持を集めている。日本でも、横山緑のような著名な配信者が参入するなど、徐々に注目度が高まっている。

Kick誕生の背景

Kickが登場した背景には、既存のライブ配信プラットフォーム、特にTwitchに対する不満が存在していたと言われている。
TwitchはAmazon傘下のサービスとして、長年ゲーム配信やエンターテインメント配信の分野で圧倒的なシェアを誇ってきた。
しかし、収益分配の仕組みやコンテンツ規制の方針に不満を抱く配信者が増えていたのも事実だ。

例えば、Twitchでは配信者とプラットフォームの収益配分が50:50が基本であり、一定の条件を満たした一部の配信者に限って70:30が適用される。
この仕組みに対し、「配信者が得られる取り分が少ない」と感じる声が上がっていた。

そこに現れたのがKickだ。
Kickは、Twitchとは対照的に、配信者に圧倒的に有利な収益モデルを掲げてスタートした。
こうした方針が、特に中小規模の配信者や、既存プラットフォームに不満を持つクリエイターの注目を集めるきっかけとなった。
日本でも、ニコニコ生放送(以下、ニコ生)での規制強化に不満を持つ配信者がKickに目を向けるケースが増えている。

収益モデルの特徴

Kickの最大の特徴は、収益配分率の高さにある。具体的には、配信者とプラットフォームの収益配分が95:5となっており、配信者が受け取る割合が圧倒的に多い。
これはTwitchの50:50やYouTubeの70:30(広告収益の場合)と比べても、際立った数字だ。
このモデルは、配信者にとって魅力的な条件であり、Kickが急速に支持を広げる一因となっている。

さらに興味深いのは、Kickが提案している「時給制」の仕組みだ。
これは、一定の条件を満たした配信者に対して、1時間あたり16アメリカドル(約2400円、為替レートによる)を支払うというもの。
条件としては、以下のような項目が挙げられている。

  • 1ヶ月(30日)のうち1日4時間以上の配信を行う
  • 配信中に寝ていない(活動している状態である)
  • 顔を出して配信する(ウェブカメラを使用)
  • 成人である(18歳以上)

加えて、同時接続視聴者数が75人以上を維持する必要があるという情報もあるが、これは公式に明記されていない部分もあるため、状況によって変動する可能性がある。
この時給制が実際に導入されれば、配信業界では初の試みとなり、特に小規模な配信者にとって安定した収入源となるかもしれない。
日本人配信者にとっても、この仕組みは新たな収入の柱となり得るだろう。

追記:送金手数料に¥2,000かかるので、ここも頭に入れといたほうが良いでしょう。

ただし、この収益モデルの裏には、運営資金の出どころに対する疑問も浮上している。
Kickの親会社とされるStake.comはオンラインカジノ事業を展開しており、その潤沢な資金がKickの運営を支えているのではないかと推測されている。
一方で、ギャンブル関連企業との結びつきは、プラットフォームのイメージや長期的な安定性にリスクをもたらす可能性もある。

有名配信者との契約

Kickの成長を後押ししている要素の一つに、有名配信者との契約がある。
2023年には、Twitchで大きな影響力を持つストリーマーが次々とKickに移籍し、話題を呼んだ。

例えば、xQc(本名:フェリックス・レンゲル)は、Twitchで1183万人のフォロワーを誇るトップ配信者だったが、2023年6月にKickと2年間で約7000万ドル(約100億円)の契約を結んだ。
この金額はインセンティブを含めると最大1億ドルに達する可能性もあると報じられており、業界に衝撃を与えた。

xQc

ほかにも、チェスのグランドマスターであるヒカル・ナカムラや、アディン・ロス、BruceDropEmOffといった著名な配信者がKickと契約を結んでいる。
これらの動きは、Kickが単なる新興プラットフォームに留まらず、Twitchの牙城を崩す本気度を示していると言えるだろう。

ヒカル・ナカムラ
アディン・ロス
BruceDropEmOff

日本人の有名配信者とKick

日本でも、Kickにチャンネルを持つ有名配信者が現れ始めている。
ここでは、その中から代表的な人物をいくつか挙げてみる。

まず、横山緑(本名:久保田学)が注目される。

横山緑

横山緑は、ニコ生で「暗黒放送」として長年活動してきた配信者で、過激なトークや独特のキャラクターで知られている。
2025年3月、ニコ生での永久BANをきっかけにKickでの配信を開始した。
Xでの投稿によれば、2時間の配信で270ドル(約4万円、時給2万円相当)を稼いだと公開しており、その収益性の高さをアピールしている。
横山緑の参入は、他のニコ生配信者にも影響を与え、Kickへの移行を促す一因となっているようだ。
彼のチャンネルでは、雑談を中心に、ニコ生時代からのファン層を引き連れた活動が期待される。

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次に、もこう(本名:馬場康平)が挙げられる。

もこう

もこうは、ニコ生やYouTubeで長年活動してきた配信者で、独特のトークスタイルとゲーム実況で知られている。
2025年3月にはKickでの配信を開始したとの情報がX上で拡散され、注目を集めた。
もこうの場合、既存のプラットフォームでの活動に加え、新たな挑戦としてKickを選んだ可能性がある。
彼のKickチャンネルでは、ゲーム配信を中心に据えつつ、ファンとの交流を重視した内容が期待されている。

これは勇気の切断だ

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また、加藤純一(うんこちゃん)も候補として考えられる。

加藤純一(うんこちゃん)

加藤純一は、日本国内で絶大な人気を誇る配信者で、TwitchやYouTubeで活動してきたが、Kickへの移行を検討しているとの噂もある。
彼の過激なトークやユーモアが、Kickの緩い規制方針とマッチする可能性があるためだ。ただし、2025年3月時点で正式な移籍発表はないため、今後の動向が注目される。

さらに、VTuberの分野では、ホロライブやにじさんじといったグループに所属する配信者がKickに進出する可能性も指摘されている。

例えば、兎田ぺこらや湊あくあといった人気VTuberが、収益分配の有利さや新たな視聴者層の開拓を目指してKickを利用するケースが想定される。
ただし、現時点ではVTuberの多くがYouTubeやTwitchを主戦場としており、Kickへの本格進出はまだ限定的だ。

コレコレ、運営からの声掛けで試運転的に配信

コレコレ

2025年3月19日、21時25分からKICKで初配信(テスト)
本人の話すところによると、KICK運営から配信をやってほしいという要請があり試験配信。
ただし、今後についてはメイン配信をKICKでするつもりはなく、ツイキャスの配信後に少しだけやる程度になるかもしれないとのこと。
加えて、運営サイドからは配信環境諸々のフィードバックも欲しいと言われたとのことで、視聴者に意見も求めた。

この試験配信で、同時接続が15,000超となりKICKサーバーが一時不安定になる。

キッカーズと称してメンバー内でレイドの持ち回りをしていた横山緑氏は軽いパニックとなり、レイドをコレコレに提供。

キッカーズ内部でも、離反者が現れ今後の動きに悪雲が立ち込めた。

技術面とコンテンツ方針

Kickの技術面については、Twitchと比較されることが多い。
配信の画質や遅延、インターフェースの使いやすさなど、基本的な機能はTwitchに近いものが提供されている。


ただし、Twitchほどの安定性や洗練さにはまだ課題が残るとの声もある。
新興サービスであるため、インフラの整備やバグ修正に時間がかかるのは仕方のない部分かもしれない。
日本人配信者にとっても、視聴環境の安定性が今後の利用を左右する要素となるだろう。

コンテンツ方針に関しては、Kickは比較的緩やかな規制を採用している。
Twitchではギャンブル配信や過激な発言に対する規制が厳しくなり、一部の配信者がBANを受けたことがあった。
これに対し、Kickは「クリエイターの自由」を重視する姿勢を示しており、ギャンブル配信なども許可されている。
この方針は、Stake.comとの関連性を考えると納得できる部分もあるが、一方で過激なコンテンツが増えるリスクも指摘されている。日本人配信者の中には、この自由度の高さを活かして独自の配信スタイルを追求する者も出てくるかもしれない。

スポーツ業界との連携

Kickの活動は配信プラットフォームにとどまらない。
スポーツ業界とのパートナーシップにも積極的に取り組んでいる。
例えば、2023年1月にはF1チーム「アルファロメオ」と数年間のスポンサー契約を結んだ。

ギャンブル広告が禁止されている国では、Stakeのロゴの代わりにKickのロゴが使用される形で展開されている。
さらに、同年8月にはプレミアリーグのエヴァートンFCと公式スリーブスポンサー契約を締結。12月にはF1チーム「ザウバー」のシャシー命名権を取得し、2024年シーズンでは「ステークF1チーム・キック・ザウバー」として参戦する予定だ。

これらの動きは、Kickが単なる配信サービスを超えて、グローバルなブランドとしての地位を確立しようとしていることを示している。スポーツとの結びつきは、若年層を中心に知名度を高める効果も期待できるだろう。日本でも、こうした取り組みが認知度向上につながる可能性がある。

ユーザーの反応と課題

Kickに対するユーザーの反応は賛否両論だ。配信者からは「収益分配が良い」「規制が緩い」といった好意的な意見が多い一方で、視聴者からは「コミュニティがまだ成熟していない」「見たい配信者が少ない」といった不満も聞かれる。
XなどのSNS上では、「Kickは配信者に優しいけど、視聴者体験がTwitchに比べて劣る」といった声も見られる。
日本人視聴者からも同様の意見が散見されるが、横山緑やもこうのような人気配信者の参入で状況が変わる可能性もある。

また、長期的な課題として、資金源の透明性やコンテンツ管理のバランスが挙げられる。
Stake.comとの関係が強すぎると、ギャンブル依存症や規制当局からの監視といった問題が浮上する可能性がある。

さらに、緩い規制が仇となり、不適切なコンテンツが増えるリスクも無視できない。日本人配信者が増える中で、こうした課題への対応が注目される。

今後の展望

Kickは設立からわずか数年で、ライブ配信業界に一定のインパクトを与えてきた。
収益モデルの革新や有名配信者の獲得、スポーツ業界との連携など、その戦略は野心的だ。

しかし、TwitchやYouTubeといった巨人と真っ向から競争するには、まだ時間と努力が必要だろう。
日本市場においても、横山緑やもこう、加藤純一のような配信者が牽引役となり、さらなる認知度向上が期待される。
特に横山緑のKick参入は、ニコ生コミュニティからの移行を加速させる可能性があり、日本独自の動きとして注目される。

今後、Kickが目指すべきは、配信者だけでなく視聴者にとっても魅力的なプラットフォームになることだ。コミュニティの拡大やコンテンツの多様化、技術面の改善が進めば、さらに多くのユーザーを惹きつける可能性はある。
一方で、資金面や規制面でのリスクをどう管理するかも、成長の鍵を握る。日本人配信者の参入が進めば、日本独自のコミュニティ形成も進むかもしれない。

まとめ

Kick.comは、Twitchに代わる新たな選択肢として登場したライブ配信プラットフォームだ。

95:5の収益配分や時給制の提案、緩やかなコンテンツ規制など、配信者に寄り添った特徴が際立っている。xQcやヒカル・ナカムラといったビッグネームに加え、日本からは横山緑、もこう、加藤純一といった配信者が関心を示しており、注目度は高い。
特に横山緑は2025年3月にKickで配信を開始し、時給2万円相当の収益を公開するなど、日本人配信者にとっての可能性を示している。

しかし、視聴者体験の向上や長期的な安定性には課題が残る。新興サービスとしての勢いは感じられるが、業界の覇権を握るにはまだ道のりが長い。引き続き、その動向を見守りたい。