『映画『ジョジョの奇妙な冒険』』とは、2017年8月4日に公開された実写映画『ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章』を指す。
荒木飛呂彦の人気漫画『ジョジョの奇妙な冒険』第4部を原作とし、山崎賢人主演、三池崇史監督で制作された日本映画だ。
スタンドと呼ばれる超能力を駆使する高校生・東方仗助が、架空の町・杜王町で繰り広げる戦いを描く。公開当時、原作ファンの期待と不安が入り混じり、興行収入9.8億円を記録したものの続編は実現せず、2025年現在、単発の実写化として語り継がれている。
『ジョジョの奇妙な冒険』の実写映画とは何だったのか。
その誕生から公開、評価、そして残したものを振り返る。

『ジョジョの奇妙な冒険 実写映画』の誕生と背景

実写映画『ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章』の企画は、2010年代初頭に始まった。『ジョジョの奇妙な冒険』は、1987年から連載開始し、2017年時点で累計発行部数1億部を超えるメガヒット漫画。アニメ化やゲーム化で成功を収めていたが、実写化は未知の領域だった。2016年4月、東宝とワーナー ブラザース ジャパンが共同製作を発表。
監督に『十三人の刺客』や『ヤッターマン』の三池崇史、主演に『orange』の山崎賢人を起用し、豪華キャストが話題に。脚本は『クローズZERO』の野木亜紀子が担当し、原作の奇抜な世界観をどう映像化するかに注目が集まった。


撮影は2016年夏に開始。舞台となる杜王町を再現するため、スペインのシッチェスでロケが行われた。原作の日本的な町並みを海外で表現する試みは異例で、三池監督は「異国情緒と日本の融合」を目指したと語った(『映画秘宝』2017年8月号)。
スタンドのCGやアクションにも予算が投じられ、製作費は10億円超と推定される。
公開前、Xでは「実写ジョジョどうなるんだ」と期待と懸念の声が飛び交った。
公開と全盛期の反響
2017年8月4日、『ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章』が全国317館で公開された。
初週末の興行収入は2.5億円でランキング4位。
夏休み興行としてはまずまずのスタートだったが、大ヒットとは言えなかった。
物語は、仗助(山崎賢人)が叔父・承太郎(伊勢谷友介)と出会い、スタンド使いの虹村兄弟(岡田将生、新田真剣佑)や殺人鬼・アンジェロ(山田孝之)と対決するまでを描く。
「第一章」と銘打たれ、原作の序盤をベースに完結せず、続編を匂わせる構成だった。




ファンの反応は賛否両論だった。スタンドの映像化や仗助の髪型再現は好評で、Xでは「CGが予想以上にかっこいい」「山崎賢人の仗助ハマってる」と絶賛された。
特に、山田孝之のアンジェロは「狂気的な演技が原作そのもの」と称賛を集めた。一方、ストーリーの短縮やキャラクターの省略に不満も。
仗助の母・朋子(観月ありさ)の出番が少ないことや、原作のユーモアが薄れた点を指摘する声が多かった。
Xでは「ジョジョらしさが足りない」との批判も目立った。
批評家の評価も分かれた。映画.comは「スタンドバトルは見応えがあるが、原作の魅力を凝縮しきれていない」と3.5/5点。海外ではスペインや台湾で上映され、「ビジュアルは面白い」と一定の支持を得たが、世界的な話題にはならなかった。
最終的に興収9.8億円、動員66万人で終了。
同時期の『銀魂』(興収38億円)や『君の膵臓をたべたい』(興収35億円)に比べると、期待を下回る結果となった。


映画の特徴と魅力
『ジョジョの奇妙な冒険 実写映画』には、いくつかの特徴があった。
スタンドの映像化
スタンドはCGで再現され、仗助の「クレイジー・ダイヤモンド」や承太郎の「スタープラチナ」が動き回る姿は圧巻だった。

原作の抽象的な能力を視覚的に表現する努力が評価され、Xで「スタンド戦がリアルで鳥肌」との声が上がった。三池監督のアクション演出が光り、特にアンジェロ戦の緊迫感は見どころだった。
豪華キャスト
山崎賢人を筆頭に、伊勢谷友介、岡田将生、山田孝之ら実力派が揃った。
仗助の不良っぽさと優しさを兼ね備えた演技や、山田の怪演が映画に深みを加えた。
Xでは「キャストだけで見る価値ある」との意見も多かった。

異国でのロケ
スペインのシッチェスでの撮影は、杜王町に独特の雰囲気を付与。
原作の閉鎖的な町を、異国の風景で再解釈した点は新鮮だった。
Xで「スペインの町並みが意外とマッチしてる」と驚く声もあった。

衰退と続編未実現の理由
公開後、『ジョジョの奇妙な冒険 実写映画』の話題は急速に減った。
最大の理由は、興行成績が続編制作の基準に届かなかったことだ。
東宝は当初、複数章でのシリーズ化を視野に入れていたが、9.8億円では採算が厳しいと判断された。
同時期の邦画ヒット作と比べ、集客力が不足していた。
原作ファンの不満も影響した。「第一章」で終わったストーリーに、「これで終わり?」との声がXで続出。仗助の親友・康一(神木隆之介)や露伴(中村倫也)の活躍が次に持ち越され、消化不良感が残った。また、実写化の難しさも露呈。
原作の濃密な人間関係やスタンド戦の複雑さを、119分に収めるのは無理があったとの指摘が多かった。
2018年、三池監督はインタビューで「続編は観客の反応次第」と語ったが、その後続報はなし。
2025年現在、続編の可能性はほぼ消滅したと見られる。
Xでは「ジョジョ実写、続編見たかったのに」との嘆きが今も散見される。
現在の状況と今後の展望
2025年3月1日時点、『ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章』はNetflixやAmazon Prime Videoで配信中だ。
公開から8年経ち、新たな視聴者からは「意外と面白い」と再評価の声も。
Xでは「今見ると悪くない」「スタンドのCGが時代を超えてる」との投稿が見られる。
一方で、「続編がないのが残念」との意見は根強い。
『ジョジョ』の実写化としては、2023年の『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』(高橋一生主演)が成功を収め、スピンオフ路線が注目されている。
『ダイヤモンドは砕けない』の続編は難しいが、新たな実写企画が浮上する可能性はゼロではない。
原作の第5部以降や、アニメ人気を背景にした別アプローチが検討されるかもしれない。

『ジョジョの奇妙な冒険 実写映画』の遺したもの
この映画が残した影響は、賛否両論の中にも見える。まず、実写化の挑戦として一石を投じた。
スタンドの映像化やキャストの熱演は、漫画の実写化の可能性を示した。
Xでは「ジョジョ実写は失敗じゃない、挑戦だった」との声もある。
また、海外ロケやCG技術は、邦画の表現力を広げる試みとして評価される。
失敗と見られがちだが、後続の邦画に影響を与えた側面は否定できない。
一方で、原作ファンの期待との乖離は、実写化の難しさを改めて浮き彫りにした教訓でもある。
まとめ:『ジョジョの奇妙な冒険 実写映画』の時代とその後
『ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章』は、2017年に公開され、一瞬の輝きを放った実写映画だった。
山崎賢人や三池崇史の手腕で原作の世界を再現し、スタンド戦の迫力でファンを驚かせたが、興行的成功には至らず続編は幻に。2025年、その存在は「挑戦の記録」として語り継がれている。
『ジョジョの奇妙な冒険 実写映画』とは、野心的な夢であり、限界に挑んだ試みであり、そして未完の物語だった。
振り返ると、漫画実写化の可能性と課題がそこにある。興味があれば、配信で観て、その一端を感じてみるのもいいだろう。
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